マイリスト 老猫と幻想郷
kusyami さんの公開マイリスト
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老猫と幻想郷 第一話「Hello world」
あるところに、古ぼけたおとぎ話がありました。
ある時は、おじいさんが孫に語り、ある時は、船乗り達がそれを歌にし、またある時は、若い恋人達が思い出話にしたりと、世界中の人達がこのお話を愛していました。
そのおとぎ話の主役はちっぽけな猫でした。けれども、彼のその小さな体には、多くの人達をわくわくさせる不思議な魅力がたくさん詰まっていました。
■今何を欲しているかと問われたら……魚肉ソーセージが食べたいと答えるでしょう。 ■blog http://blog.livedoor.jp/drum_stick/ 次page→sm6789430 マイリスト:mylist/11887480
13:50|2009年04月06日 02:36:51 投稿
老猫と幻想郷 第二話「Twilight sunlight, and ambient sound」
「ねぇ、おじいちゃん。今日はお話をしてくれないの?」
子供が老人に問いかける。暖炉にくべていた薪がそれに呼応するかのように爆ぜた。
「ねぇ、おじいちゃん。今日はあの猫のお話はしてくれないの?」
安楽椅子に座っている老人は静かにパイプを吹かし、こう言った。
「もちろん話すとも。そうだな、今日はあの灰色猫が陽気な三毛猫と出会った時の話だ――」
最初はノベルタイプを考えた。でも、折角だから動画っぽくしたかった。そして先週やっと魚肉ソーセージにありつけた。私は、幸せだ。 ■タイトルのは老猫(ろうびょう)と読みます。それ以外の場所で老猫という単語が出てきた場合、読み方は皆様に任せます。特にこだわりもないので。sm6663987←前page 次page→sm6856984 マイリスト:mylist/11887480
18:38|2009年04月19日 04:36:32 投稿
老猫と幻想郷 第三話「外出の際は注意事項を熟読のこと Any ⑨estions?」
「あんた、西から来たのかい?」
先刻過ぎ去った嵐と格闘していた船乗りの一人が声をかける。
「やっぱりか。あんた、俺らの知ってる歌とはちぃとばかし違った歌を唄ってたな」
声をかけられた方の船乗りは、カップに入ったコーヒーを飲み干してこう言った。
「俺の生まれ故郷じゃ、あんた方とは目をつけた所が違うってことだ。俺の国では、灰色猫が頑固爺と知恵比べしたときの話を歌にしたのさ」
物語を加速させよう。 もちろん、その時は、論理の飛躍に十分注意しなくてはならない。sm6789430←前page 次page→sm7002071 マイリスト:mylist/11887480
26:25|2009年04月26日 04:11:16 投稿
老猫と幻想郷 第四話「Will the sun pass away?」
「ねぇ、君は小さい頃どんな話をお母さんに聞かせてもらっていたんだい?」
一組の若いカップルのうち、青年の方が女性に尋ねる。
「僕の予想だと多分、僕と君とが共通して知っている話のはずだ」
女性は庭にあるひまわり畑を見つめ、やわらかい微笑みを浮かべながら言った。
「正解。あなたも私もよく知っている話よ。あの灰色のネコが西の森に住むフクロウを訪ねるお話がお気に入りで、何度も同じところを読むようにお願いしてたから、先に寝るのは決まってお母さんの方だったわ」
実際それを近くで撃たれたら多分こうなる。正直洒落になりません。sm6856984←前page 次page→sm7126999 マイリスト:mylist/11887480
20:26|2009年05月10日 04:20:28 投稿
老猫と幻想郷 第五話「瀟洒な従者と隠者と紅茶 Disposable advantage」
ページが切り取られていて読めない。
副題は比較的短時間で考え付くタイプ(1、2、4話)と長い間考えるタイプ(3話)の2パターンがあり、今回は後者でしたが……なんのひねりもないタイトルに収まってしまった。 sm7002071←前page 次page→sm7309634 マイリスト:mylist/11887480
22:47|2009年05月23日 08:12:43 投稿
老猫と幻想郷 第六話前編 「Why Didn’t They Ask Reimu?」
多くのおとぎ話はいくつかの人の手を渡り、いくつかの海原を渡り、いくつかの戦場を渡っていった。
限界が来て、そのうちの一人が「もう無理だ」と叫び声を上げる時、渡り鳥は彼に代わり、そしてこう言う。
"後は私に任せろ" と。
或いは「なぜ、霊夢に頼まなかったのか?」 ■紅魔館と言えばアガサ・クリスティ。今回のお話の2割くらいに彼女の世界の切れ端を貼り付けさせていただきました。――勿論クリスティを分からない方でもお楽しみいただけるような構成にしたつもりです。 sm7126999←前page 次page→sm7337632 マイリスト:mylist/11887480
14:25|2009年06月11日 04:08:11 投稿
老猫と幻想郷 第六話後編 「Why Didn’t They Ask Reimu? Part2」
後編です。前編は前ページから。■どうやらやりたいことと動画時間は比例するようです。時は金なりなんて、最初に言った人は今頃舌を出していることでしょう。一応これで第1章はおしまい。 sm7309634←前page 次page→sm7471510 マイリスト:mylist/11887480
26:55|2009年06月14日 04:00:00 投稿
老猫と幻想郷 第七話 「素晴らしき世界、かな? She is a trick star!」
そのおとぎ話はたくさんの人によって何年も、何年も語られました。
その度に灰色猫は何度も、何度も冒険を繰り返したのです。
けれどもいくつもの時が流れ、いくつもの季節が世界を巡る度、そのおとぎ話は少しずつ人々の記憶から薄らいでいきました。
なにやら猫が哲学めいたことを考えているようだが、私は学問上の哲学があまり好きではなかったりする。最古の哲学者タレスに乾杯……もちろん水でね。■あれこれ考えてみた結果この物語にはいくつか欠けているモノがあると私は結論付けた。そのうちのひとつが「顔」である。そんな訳でこの動画の顔となる「タイトルイラスト」を描いてくださる方を探しております。その他、ご意見などがございましたら以下のメールアドレスにお送りください。 reds_redpost●yahoo.co.jp (●を一旦消して@に書き変えてください) sm7337632←前page 次page→sm7830339 マイリスト:mylist/11887480
22:40|2009年06月28日 08:50:52 投稿
老猫と幻想郷 第八話 「Ms.Sunshine is from Japan.」
「ねぇ、おじいちゃん。今日はお話をしてくれないの?」
子供が老人に問いかける。暖炉にくべていた薪がそれに呼応するかのように爆ぜた。
「ねぇ、おじいちゃん。今日はあの猫のお話はしてくれないの?」
安楽椅子に座っている老人は静かにパイプを吹かし、こう言った。
「もちろん話すとも。そうだな、今日は例の長靴を履いた猫がお城へ行くところの話しをしよう――」
或いは、「日出ずる国の天子」。 ■先日、新聞の「号外」というものを初めて見た。だが、駅前でそれを配る光景は、『「号外ー! 号外だよー!」と、叫びながら江戸を駆け巡る威勢の良い町人』というような、「号外」という言葉に対する私の幻想をたやすく打ち破いてみせた。(ティッシュ配りとなんら変わりなかった!) ■何か感想などありましたらこちらへ。……閑古鳥は鳴くどころか、このアドレスに巣を作ってしまったようですが。reds_redpost●yahoo.co.jp (●を一旦消して@に書き変えてください) sm7471510←前page 次page→sm8034749 マイリスト:mylist/11887480
25:14|2009年08月04日 01:00:46 投稿
老猫と幻想郷 第九話 「Drinking dice」
「あんた、西から来たのかい?」
先刻過ぎ去った嵐と格闘していた船乗りの一人が声をかける。
「やっぱりか。あんた、俺らの知ってる歌とはちぃとばかし違った歌を唄ってたな」
声をかけられた方の船乗りは、カップに入ったコーヒーを飲み干してこう言った。
「俺の生まれ故郷じゃ、あんた方とは目をつけた所が違うってことだ。俺の国では、兄妹が青い鳥を探しに行く物語を歌にしたのさ」
「呑んだくれのサイコロ」 ■酔っ払った賽ほど性質の悪いものはない。■何か感想などありましたらこちらへ。reds_redpost●yahoo.co.jp (●を一旦消して@に書き変えてください) sm7830339←前page 次page→sm8478869 マイリスト:mylist/11887480
23:20|2009年08月25日 07:45:26 投稿
老猫と幻想郷 第十話 「The cylinder on the cat.」
「ねぇ、君は小さい頃どんな話をお母さんに聞かせてもらっていたんだい?」
一組の若いカップルのうち、青年の方が女性に尋ねる。
「僕の予想だと多分、僕と君とが共通して知っている話のはずだ」
女性は庭にあるひまわり畑を見つめ、やわらかい微笑みを浮かべながら言った。
「正解。あなたも私もよく知っている話よ。眠ったままいばらの城に閉じ込められたお姫様達を王子様が助けにいくお話がお気に入りで、何度もそのお話を読むようにお願いしてたから、先に寝るのは決まってお母さんの方だったわ」
■ 今回のお話にはいくつか実験的な要素を加えてみたのだが、そのせいか尺が凄く長くなってしまった。――もっと具体的に言えば、アップロードするためにプレミアム会員に加入せざるを得なくなったくらいに! ……今後は(今後も)24分前後を目安にしていきたいものです。■中盤にて老猫が神社に数日の滞在をします。その時のお話が外伝となっています。 外伝はこちら→sm8095798 sm8034749←前page 次page→sm8834391 マイリスト:mylist/11887480
37:50|2009年10月11日 05:11:44 投稿
老猫と幻想郷 第十一話 「I Kept on singing ghost of August past.」
インクが滲んでいて読めなかった。
■私は気の会う二人組みというのがたまらなく好きだ。ポアロとヘイスティングズ、安部清明と源博雅、アマテラスとイッスン、上げればきりがないほどに。この物語の二人も、そんなところから生まれたのだろう。(ちなみにこの物語での魔理沙は、異変解決時の性格が強調されています)■ghost of August past:過去の8月の亡霊。元ネタは最近ディズニーが映画にしましたね。……余談ですが、老猫は当初スクルージじいさんをモデルにするつもりでした。外伝が出来上がりました→sm9248463 sm8478869←前page 次page→sm9781865 マイリスト:mylist/11887480
26:45|2009年11月17日 17:14:12 投稿
老猫と幻想郷 第十二話 「I watched witchcraft rites!」
おとぎ話はどこへ行くのでしょう? 今、一体いくつの物語が世界にあふれているのでしょう? 一体、いくつのお話が海の底へと沈み、渡り鳥の群れからはぐれたのでしょう?
世界はすべての物語を抱きしめられるほど、大きな存在ではありません。世界は私たちの枕元に立つ物語すべてを愛し続けることはできません。――おや? あそこにいる人は一体何を話しているのでしょう?
■この物語を考えるにあたって、色々と考えさせられる面がありました(といっても、物語の内容とは関係ありませんが)。私の物語をいつも見てくださっている方、今回たまたまこのお話を開いてくださった方、すばらしい音楽や物語を作り続けている方々、東方Project様――あなたたちに、私がどれほど支えられていることか。ありがとうございます。よろしければ、最後までお付き合いください。■Blog http://blog.livedoor.jp/drum_stick/■外伝が出来上がりました→sm10132536 sm8834391←前page 次page→sm10761579 マイリスト:mylist/11887480
26:34|2010年02月21日 00:41:40 投稿
老猫と幻想郷 第十三話 「聞いたことある?」
「ビールをふたつ頼もうか」
無精髭を生やした中年の男は店員にそう告げて、隣の青年をじろじろと見やった。
「それで、あんたは‘それ’が気になって俺を訪ねた、と?」
「ええ、先日亡くなった祖母の部屋を整理していたら偶然見つけたんです。それで叔母に聴いてみたところ、古い伝承や物語に明るいあなたを紹介されまして――‘このこと’は伏せておきましたが」
「あんたが見つけたのは時代遅れのおとぎ話さ。もう誰も覚えちゃいない」
「……ひょっとしてあなたは知っているのですか? 灰色の猫だけが本の中から消えてしまった理由を」
■だいぶ遅れてしまいました。あまり暢気だと忘れられてしまいそうですね。■前回リンクミスを指摘してくださった方、ありがとうございました。――勿論、頂いた批判にもきちんと目を通していますよ!■Blog http://blog.livedoor.jp/drum_stick/ sm9781865←前page 次page→sm11073874 マイリスト:mylist/11887480
24:17|2010年05月18日 17:27:45 投稿
老猫と幻想郷 第十四話 「老猫と幻想郷」
「何故だろうな。それにあんたが持ってきたのが全部で三冊あるうちの一番最後の物語だというのも、なんだか暗示めいているじゃあないかね?」
「表紙が煤けていて気づきませんでしたよ。なに分、中身も飛ばし飛ばし眺めただけでここにやってきたもので――」
「それについて咎めるのはお門違いってやつさ。読まれなくなった物語なんて山ほどあるんだ――ちょうどそのナッツの殻みたいな扱いを受けてな」
「このおとぎ話は一体どんな内容なんですか?」
「……さてさて、お望みとあらば、‘劇的’にお教えしましょう。まず主人公は――」
老いた幻想、夕日に惑い喧騒を呪う。blog:http://blog.livedoor.jp/drum_stick/ sm10761579←前page 次page→sm11911199 マイリスト:mylist/11887480
19:13|2010年06月15日 21:24:31 投稿
老猫と幻想郷 第十五話 「星に願いを」
「……そのおとぎ話も、もう少ししたら忘れられたもののひとつに加わるだろうよ」
中年の男は空になったビールジョッキを見つめながら言った。青年は彼の言いたいことを汲みとったらしく、背中を丸めてうつむいていた。
「……でも、これからも物語は忘れられ続けます」
「そう、人は忘れる。空飛ぶ魔法使いなんて、今時凶兆の象徴としてですら説得力がないだろう。だが、それでも私たちは日々物語を求めて、玄関扉を開ける。私たちが生きている限り物語は――いや、今日はこれくらいにしておこう。お節介が過ぎたようだ。それでは、おやすみ――」
■魔女は魔法を、猫は音楽を。それぞれの星を強く掲げましたとさ。■blog:http://blog.livedoor.jp/drum_stick/ sm11073874←前page Lastpage→sm12524024 マイリスト:mylist/11887480
23:50|2010年08月28日 18:11:47 投稿
老猫と幻想郷 最終話 「It's my house」
あるところに、古ぼけたおとぎ話がありました。
ある時は、おじいさんが孫に語り、ある時は、船乗り達がそれを歌にし、またある時は、若い恋人達が思い出話にしたりと、世界中の人達がこのお話を愛していました。
そのおとぎ話の主役はちっぽけな猫でした。けれども、彼のその小さな体には、多くの人達をわくわくさせる不思議な魅力がたくさん詰まっていました。
Hello hello,how do you do? ■blog:http://blog.livedoor.jp/drum_stick/ sm11911199←前page 次page→In other place マイリスト:mylist/11887480
25:25|2010年10月23日 21:10:53 投稿