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90年代、北朝鮮で何が起こったのか?最悪の飢餓を内部映像が記録 (28分)
90年代、北朝鮮全土を覆った飢饉。2~300万にものぼる人びとが命を落としたともいわれる。飢餓と社会混乱のなかで、いったい何が起きていたのか。北朝鮮人が隠しカメラで克明に記録した飢餓の実態と、北朝鮮を脱出し中国に潜伏する脱北難民たちの証言を通して、人びとがおかれている過酷な現実を伝える。
撮影:アン・チョル、キム・ホン、石丸次郎
ナレーション:魚住由紀 編集:坂本卓 (28:00 制作:2007年) (C) ASIAPRESS
世界で初めて北朝鮮大飢饉の実態を映像で暴いたのは、アン・チョルという名の20代の北朝鮮青年だった。石丸次郎が初めてアン・チョルと会ったのは97年7月。両親が餓死し、難民として中国に這うように脱出してきたばかりの頃だった。
石丸と1年余り中国で一緒に暮らした後、アン・チョルはビデオカメラを携えて、再び深夜の豆満江を渡り北朝鮮に入っていった。初めての秘密撮影に挑むためであった。アン・チョルの撮った映像は、世界中に衝撃を与えた。
韓国KBSでは98年末に1時間の特別番組を制作、放映翌日の韓国の主要新聞はこぞって社説で番組を取り上げ、飢餓を放置している北朝鮮当局者の無能を批判した。
映像は英、独、仏、米などの主要テレビネットワークでも、何度も大きく取り上げられた。北朝鮮の飢餓の深刻さを、アン・チョルの映像を通じて知った人の数は、世界中で数億人に達するだろう。続いて99年には、キム・ホンという青年も、おもに北朝鮮北部地域で秘密撮影を敢行した。深刻な飢餓が北朝鮮全土に拡がっていることが証明された。
1990年代後半、北朝鮮民衆を襲った大飢饉は、朝鮮史上最悪のものであることは間違いない。5年間に飢えと寒さと病気で命を落とした人の数はは200万-300万に及ぶと思われる。これは、実に人口の10-15%にあたる数字である。
この凄惨な飢餓の実情は、アン・チョルとキム・ホンという2人の勇敢な北朝鮮青年がいたからこそ、歴史に記録されることになった。2人が命懸けで撮影した映像を中心に、未曾有の悲劇の原因を考察する。
<北朝鮮> 栄養失調で衰弱する人民軍兵士「激やせ」で動けぬ者も
◇内部記者がスクープ撮影...軍でも餓死者発生の模様
北朝鮮の中部、平安南道で、がりがりに痩せた兵士の一団が撮影された。ひどい栄養失調状態にあるのは明らかだ。ここまで衰弱した兵士の集団がカメラに捉えられたのは世界で初めてのことである。北朝鮮国内で取材を続けるジャーナリスト、具光鎬(ク・グァンホ)氏によるスクープだ。ク氏は北朝鮮内部情報誌「リムジンガン」の記者だ。
撮影は2011年7月のこと。映像を見ると、市場にほど近い広場に、十数人の兵士が座り込んでいる。彼らは一様に痩せ、服の上からでも手足や腰周りがずいぶんと細いのが分かるほどだ。目と頬はくぼみ、幾人かは目の焦点も合わず虚脱してしまっている様子がありありとうかがえる。30分あまりの映像の中で、下を向いたまま全く動けない兵士もいたほどだ。
撮影者のク記者は、秘密裏に中国に出て来て、撮影されたテープを筆者に渡す際、取材当時の状況をこう振り返ってくれた。
「北朝鮮に住んでいる私も、一度にこんなに多くの栄養失調にかかった兵士を見るのは初めて。周囲の住民たちはみな口々に『ぞっとする』『見たくない姿だ』と言い合っていました」
十数人の一団を率いる将校は、ク記者が部隊の構成や行き先について尋ねても固く口を閉ざしていたが、別の住民が聞き出したところによると、兵士たちは工兵部隊で、栄養失調になったために、治療のために部隊から移送する途中だったという。工兵は国家の重要インフラや施設の建設に投入される部隊で、119万人といわれる朝鮮人民軍の約半数ほどを占めるといわれている。再びク記者。
「衰弱した兵士たちの一団は、私には20代前半のように見えましたが、引率の将校は『若いのもいれば年がいったのもいる』と答えました」
ク氏は30分あまり現場で撮影を続けたが、映像の中には将校が、憲兵(一般軍部隊を監督する将兵)に見つからないよう隠れているよう、兵士たちに注意を促している場面も記録されていた。栄養状態が悪くがりがりに痩せ細った兵士たちの姿を、一般住民の目に触れさせないよう、上部から命令されているためだと思われる。
ク記者はさらにこう付け加えた。
「彼らもこのままでは長く持たないでしょう。若い兵士の中には栄養失調で死ぬ者が少なくないんです。兵役中の息子が死んだ場合、『病気で死んだ』と、両親に軍から通知が来ます。そこで両親が部隊に駆け付けて遺体を見るんですが、他でもない、栄養失調で死んだことくらいすぐ分かるんです。こういった話はすぐに広がるので、人民軍の栄養状態が悪いことは皆知っていますよ」
ク記者をはじめ、北朝鮮内部で取材活動を続けるジャーナリストたちが伝えるところによると、北朝鮮では2011年に入り軍隊の食糧事情が顕著に悪化し、一部では塩の入手にも困るほどだという。このため、住民から軍糧米を大々的に徴発していた。
[取材=具光鎬(ク・グァンホ) 整理=李鎮洙(リ・ジンス)]
<北朝鮮> 飢える23歳の女性ホームレス...
北朝鮮内部で取材活動を続ける金東哲(キム・ドンチョル)氏が、2010年6月に平安南道で撮影した、いわゆるコチェビ(ホームレス)の23歳女性が、死亡していたことがわかった。
金記者は、撮影のため平安南道に出張した際、ひどく痩せて黒く煤けた姿で郊外を放浪する若い女性に遭遇。話をしながらビデオで彼女の姿を記録した。
23歳だという女性は、「今年に入って両親が死亡、家も失って放浪生活をしている」と身の上を金記者に語った。金記者が名前を尋ねたものの、返事は弱々しく聞き取ることはできなかった。
金記者が撮影した映像は、テレビ朝日で放映されたのをはじめ、韓国KBSテレビのニュースとスペシャル番組、ドイツ放送、BBCなどでも放映され関心を集めた。特に韓国では、コチェビとなり、がりがりに痩せて放浪生活をしている若い女性の姿が社会に衝撃を与え、放送した韓国KBSテレビのウェブ掲示板には多くの感想が寄せられたという。
撮影した金記者は(2010年)11月、アジアプレスに
「23歳のコチェビ女性は(2010年)10月20日頃に死亡したことがわかった」
と連絡してきた。金記者によると死亡の経緯は次の通りだ。
「彼女は家もなく市場や路上で物乞い生活をしていたが、トウモロコシ畑の中で死んでいるのが発見された。当時はトウモロコシの収穫の時期なので、畑に入ってトウモロコシを食べようとしたと思われる。『若い女性のコチェビが畑で死んでいる』と噂になり、知人が見に行ったところ彼女だった。死んで何日も経っていたようで、遺体は傷み始めていたという。保安所(警察)も放置したまま長いあいだ片付けなかった」
2009年11月に実施されたデノミ措置(通貨ウォンを100分の1に切り下げ)による経済混乱のため、北朝鮮ではコチェビが全国で急増、餓死者も一部地域で発生していた。亡くなったコチェビ女性のような家庭では、デノミ措置の混乱の中で商売行為が滞り家計が破綻、家を売って路上生活を余儀なくされていた。彼女は無理なデノミ措置の犠牲者だと言える。 (石丸次郎)
<北朝鮮> スクープ!これが平壌の本当の姿だ(3) 誰が平壌にサンマを運んだのか
第3回 誰が平壌にサンマを運んだのか
平壌潜入取材の第3回目は、市場に並ぶ品々に注目する。国営商店には売る品がほとんど無いのに、公設市場にはモノが溢れているのはなぜなのか?リ・ジュンのカメラは平壌から遠い東海岸でしか獲れないサンマ、しかも新鮮なものが並んでいるのを捉えた。国営の流通網が麻痺している北朝鮮で、いったい誰が漁をし、どうやって鮮度を落とさずピョンヤンまで運んでくるのだろうか?市場に並ぶサンマの姿は、市場経済のとてつもない進化を物語っていた。
(取材・撮影:リ・ジュン 2007年8月 平壌 船橋市場 02分41秒 )
金正日政権は「首都平壌は発展する革命の首都」という虚構を作るために、外国から訪問者には、常に見栄えの良いところだけを見せてきた。
リ・ジュンら北朝鮮内部の取材チームは平壌に潜入、知られざる北朝鮮の首都の姿を撮影するのに成功した。300万とも言われる人が暮らす平壌、その裏通りには、商売に励みたくましく生きる民衆の姿があった。
・「冷たい氷水」、アイス菓子を販売する屋台。これは、地域の協同組合が運営するもので個人経営ではない。
・食品売り場の一角では、売り手の女性たちが揃いのユニフォームを着、衛生帽を被っている。胸には、写真つきの身分証。客にしきりに試食を勧める。
・肉売り場では豚肉やアヒル肉が売られている。豚肉はおよそ1キロが3000ウォン=120円ほど。
・魚売り場には、カレイやイカと並んで東海岸でしか獲れないサンマが並んでいる。1キロが2100ウォン=80円ほど。
<平壌の市場にサンマが並ぶ意味>
東西を海に囲まれた北朝鮮は、もともと魚介類は豊富に獲れた。60~70年代には、鰯やタラやがたくさん獲れて、飽きるほど副食に配給されていたという。
それが、80年代に入ると次第に食卓に上らなくなる。90年代に入ると、食糧配給の遅配欠配が恒常化する中で、魚介類の配給など、一般庶民には夢の話しになる。
魚が人の前から姿を消したのは、海から魚いなくなったせいではなく、漁獲できなくなったからである。簡単に言えば経済破綻のせいだ。外貨不足によって燃料の油の輸入、漁船や漁具の製造、輸入、保守が困難になった。動く船は、外貨獲得のために日本向け(鮮魚など高級魚)、中国向け(スルメ、干しタラ)の輸出用の魚介類を獲るのに回された。
サンマの姿は次のようなことを物語っている。
東海岸の生産者(漁民)が獲り、それを流通業者に卸し、腐らないよう冷蔵保管されながら平壌まで運送され、いくつかの卸商を経て、市場で最終消費者に販売されている。そのような生産-運送-小売りの流通網が、北朝鮮の中でもできあがっていることを示している。
我々の住む資本主義の社会では当たり前のことであるが、社会主義を標榜した北朝鮮の統制経済では、魚介類の流通も、すべてを国家機関が計画、実行しなければならなかった。さて、では、新しい流通網は、政府が政策として作ったのか?金正日将軍が指導してできたのか? 否である。
民衆は統制のくびきを離れてそこに参加し、獲る者、運ぶ者、売る者が生まれた。それがサイクルとして連なり、流通網ができあがったのだ。市場のパワーである。
平壌の市場に並ぶサンマは、拡大する市場経済が、国家主導の統制経済を飲み込んでしまった姿を映し出さしているのである。
<北朝鮮> スクープ!これが平壌の本当の姿だ(8) 市民がアパート街で生き生きと廃品回収
第8回 市民がアパート街で生き生きと廃品回収
アパート街の中でも、住民たちがはめいめい物売りをして小さな市場を形成している。目を引くのは、主に年配の女性たちが、空き瓶やペットボトルを集めている姿。楽浪地区は平壌の中心に位置するアパート街で、比較的裕福な階層が多いと思われる。
(取材・撮影 リ・ジュン 平壌 楽浪地区 02分38秒)
<北朝鮮> 手抜き工事の「平壌10万戸住宅建設現場」
◇窓の大きさはまちまち...労働者は寄せ集めの素人
北朝鮮では2012年4月の故金日成主席誕生100周年を迎え、「強盛国家」を内外に誇示するために、平壌市内で「平壌10万戸住宅建設事業」を進めてきた。その現場を2011年8月、「リムジンガン」の具光鎬(ク・グァンホ)記者が捉えた。この時期、平壌では2012年の4月に合わせ、市内各地でアパートの建設が急ピッチで進められていた。
ク記者が撮影したのは、平壌の中心部・大同江(テドンガン)区域の建設現場。真夏の日差しの下で行われている工事には、全国から大学生、突撃隊、建設専門家などが多数動員されていた。
しかしその実態は、外観を取り繕うことだけを目的とした「手抜き工事」に他ならなかった。映像の中のアパートは、窓枠の大きさや位置、各階の高さまでバラバラ、20階を超える高層アパートにも関わらず、鉄骨もクレーンも見えないまま、手積みで建設されていた。資材の不足に加え、2012年4月までに最大限の成果を収めようと、住む人の便宜や建設後の耐久性などはそっちのけの、「突貫工事」が行われていたのだった。
<北朝鮮> スクープ!これが平壌の本当の姿だ(2) 溢れる中国製品、マネキンも登場
第2回 溢れる中国製品、マネキンも登場
北朝鮮政権は「首都平壌は発展する革命の首都」という虚構を作るために、外国から訪問者には、常に見栄えの良いところだけを見せてきた。
リ・ジュンら北朝鮮内部の取材チームは平壌に潜入、知られざる北朝鮮の首都の姿を撮影するのに成功した。300万とも言われる人が暮らす平壌、その裏通りには、商売に励みたくましく生きる民衆の姿があった。(取材・撮影:リ・ジュン 平壌 船橋(ソンギョ)市場 2007年8月下旬 02分08秒)
北朝鮮では2003年4月に、それまで非合法だった市場が合法化された。 平壌をはじめ主要都市では、それまで闇市場扱いであったジャンマダンと呼ばれる市場を、当局が管理する「総合市場」に改変した。
「総合市場」はいわば公設市場。平壌では、見栄えにも神経を使って立派な建物を建てて区域ごとに開設した。
国営公設市場である船橋(ソンギョ)市場。船橋区域は平壌市中心部を流れる大同江の東側に位置する。党や政府機関の幹部など、比較的裕福な層が暮らす地域のひとつである。市場に集う人々の服装もよい。
市場で物を売っている女性たちは単純な販売員ではなく、一人ひとりがスペースを借りて商売している「店主」である。社会主義を標榜する北朝鮮の首都・平壌で、市場経済の営業様式が増殖していることが映像から読み取れる。
・衣料品売り場。この店は商品陳列にマネキンを使っている。また、値札をハート型にするなど、'客寄せ'の工夫をしている。衣料品の大部分は中国製で、一部に中国製の生地を北朝鮮で加工したものもあるという。
・雑貨売り場。ハエ叩き、石けん箱、ふきん、ゴム手袋などが見える。このような安物の雑貨は中国製品の独壇場である。
・野菜・果物売り場。トマト、小さなスイカ、まくわ瓜を売っている。スイカとまくわ瓜はこぶりだが、撮影当時より5年ほど前まで、国内産は平壌の市場で見かけることはなかったという。
<北朝鮮> スクープ!これが平壌の本当の姿だ(6) 中心部を抜けると民衆の暮らしがあった
第6回 中心部を抜けると民衆の暮らしがあった
楽浪地区のアパート街へ向かう。ここは当に平壌なのか...。凄まじい数の人でごった返すアパート街、ごみが散乱する広場。「生活の匂いがする光景」がそこには映し出されていた。これまで匿されてきた民衆の暮らしの一端が明らかになった。
(取材・撮影 リ・ジュン 2007年8月 平壌 楽浪地区 02分06秒)
<北朝鮮> スクープ!これが平壌の本当の姿だ(5) 路上にも溢れる商売
第5回 路上にも溢れる商売
船橋(ソンギョ)市場を出ると、そこにも物売りをする人たちが溢れていた。市場内で売ると「ジャンセ」(場税)が高いため、不法を知りながら外で売っているのだ。外部世界にはほとんど伝わってこなかったが、平壌に住む庶民は、このように商売行為をすることで生計を立てているのである。
(取材・撮影 リ・ジュン 2007年8月 平壌 船橋地区 01分53秒)
北朝鮮政権は「首都平壌は発展する革命の首都」という虚構を作るために、外国から訪問者には、常に見栄えの良いところだけを見せてきた。
リ・ジュンら北朝鮮内部の取材チームは平壌に潜入、知られざる北朝鮮の首都の姿を撮影するのに成功した。300万とも言われる人が暮らす平壌、その裏通りには、商売に励みたくましく生きる民衆の姿があった。
・商売しているのはすべて女性で、男の姿がないことに気付く。成人男子は、原則として政府の統制・把握する職場に出勤しなければならず、商行為は罰せられる。給料も配給もきちんと支給されず、まともに稼働していない工場や企業所に縛り付けられているわけだ。無断欠勤が続くと、鍛錬隊という短期の強制労働キャンプに送られこともある。北朝鮮式の人民支配統制の基本の一つは「組織生活の強要」にある。
・「濁り酒」や乳酸菌飲料を売る屋台は、地域の協同組合が運営する「奉仕売店」と呼ばれるもので個人経営ではない。
<北朝鮮> スクープ!これが平壌の本当の姿だ(1) 楽浪(ランラン)市場 入り口付近
第1回 楽浪(ランラン)市場 入り口付近
金正日政権は「首都平壌は発展する革命の首都」という虚構を作るために、外国から訪問者には、常に見栄えの良いところだけを見せてきた。
リ・ジュンら北朝鮮内部の取材チームは平壌に潜入、知られざる北朝鮮の首都の姿を撮影するのに成功した。300万とも言われる人が暮らす平壌、その裏通りには、商売に励みたくましく生きる民衆の姿があった。(取材・撮影:リ・ジュン 2007年8月下旬)
北朝鮮では2003年4月に、それまで非合法だった市場が合法化された。平壌をはじめ主要都市では、それまで闇市場扱いであったジャンマダンと呼ばれる市場を、当局が管理する「総合市場」に改変した。
「総合市場」はいわば公設市場。平壌では、見栄えにも神経を使って立派な建物を建てて区域ごとに開設した。
公設市場である「総合市場」で商売をするためには、金を払って売り場を確保しなければならない。そのジャンセ(場税)を払えない人々が、人の集まる市場周辺に勝手に店を広げているのである。
・ステンレスの器で冷麺を売る女性たち。このような露天の冷麺屋が現れたのはここ数年のこと。
・公設市場の外では、女性たちが何やら紙切れをかざしてずらりと座っている。廃品や中古品の買い取りをしているという。回収された金属は、主に中国に輸出されていく。高度成長の続く中国では資源需要が旺盛で、古金属をいい値段で買い取ってくれるのである。
この流通網は、当局が政策的に作ったものではなく、市場経済化か進む中で成立したものだ。現金を得るために、この女性たちは、自らの意志で廃品回収市場に労働力を売っているのである。
<北朝鮮> スクープ!これが平壌の本当の姿だ (9) 女子中学生に厚底サンダルが流行
第9回 女子中学生に厚底サンダルが流行
社会主義少年団の赤いマフラーを巻いた二人連れの女子中学生は、以前、日本でも流行った'厚底サンダル'を履いている。彼女たちが履き心地の良さより、「ファッション感覚」から、厚底サンダルを選んだのは間違いないだろう。この「ファッション感覚」は、いったいどうやって芽生えたのだろうか? 中国を通じて入ってくる多様な商品と情報が、彼女たちのおしゃれ心を大いに刺激したのである。
(取材・撮影 リ・ジュン 平壌 楽浪地区 船橋地区 01分45秒)
北朝鮮内部報告 連続シリーズ(1) ~急増するコチェビ
北朝鮮内部の記者シム・ウィチョンは、2008年8-10月、北朝鮮南西部の黄海道の取材を敢行した。シム記者が撮影した映像には、街にコチェビが増えている様がはっきり映し出されていた。物乞いをする子供の姿が市場の周囲にたくさん見られたほか、家族で路上生活をする人たちの姿も目立った。
2008年にコチェビが増加した原因は次のように考えられる。
改革開放に踏み切れず、経済不振が続いているところに、
・ 市場に対する干渉統制が強まった。
・ 世界的に穀物と原油価格が上昇した。
・ 韓国との関係を悪化させて、食糧支援要請をしなかった。
このため、物価が上昇し、とりわけ食糧価格は前年の2倍以上に高騰、一方で現金収入を減らす世帯が増え、生活が破綻して子供を養育できなくなって「子捨て」をしたり、家族離散、家を手放したりするケースが増えたのである。だが、現在の北朝鮮には、このような社会的弱者を救済するセーフティネットは全く機能しておらず、氷点下10-20度に冷え込む北朝鮮の冬を、映像にあるコチェビたちが無事に越すことができたのか心配である。
リムジンガン記者が取材した急増するコチェビの現実をシリーズ(6回)で報告する。
<北朝鮮> スクープ!これが平壌の本当の姿だ(7) アパート街は巨大な闇市場と化していた
第7回 アパート街は巨大な闇市場と化していた
続々と人が集まってきた。夕暮れの首都平壌の中心部・楽浪区域のアパート街。その群れは1万人ほどになるか。政府に動員されたわけでも、行事が行われて来ているわけでもない。皆さん、自発的にモノを売り買いするために来ている。何を売っているのか、どんな表情なのか、北朝鮮の官製メディアや、外国メディアの公式取材では絶対に撮れない、平壌市民の素の表情に注目。
(取材・撮影:リ・ジュン 2007年8月 平壌 楽浪地区 01分42秒 )
<北朝鮮> スクープ!これが平壌の本当の姿だ (10) 「出て行け!」市場取締りの瞬間を捉えた
第10回 「出て行け!」市場取締りの瞬間を捉えた
平壌の公設市場はどこも多くの人で活気があり自由なムードが漂う。だが、そこも当局による統制が及ぶ。市場の中で座り込んで物を売っているおばあさんが「取り締まり」と書かれた赤腕章の男=市場管理員に追い立てられる。
船橋市場はじめ平壌市内の総合市場は国営であるが、売り手は個人と、協同団体、国営企業所で、市場の使用料と国家納付金を納めることになっている。そこに入ってきて勝手に物を売るおばあさんは、既得権益を侵すために追い出されるのである。
(取材・撮影 リ・ジュン 平壌・船橋地区 / 平壌郊外・力浦地区 01分39秒)
<北朝鮮> スクープ!これが平壌の本当の姿だ(4) 市場では労働力も売っている
第4回 市場では労働力も売っている
平壌取材の第4回目。公設市場である船橋(ソンギョ)市場では、庶民がさまざまな物を持ち込んで売っている。映像によく目を凝らすと、市場の一角でボードをもって立っている女性がいる。そう、彼女が売っているのは、彼女自身の労働力である。社会主義を標榜する北朝鮮で、現金を得るために、庶民が自らの意思で職を求めて行動を始めている様子が捉えられていたのだった。
(取材・撮影:リ・ジュン 2007年8月 平壌 船橋市場 01分22秒 )
【ご案内】リムジンガン英語版iPad版 電子書籍アプリ発刊
世界初!北朝鮮人自身が国内で取材し、伝える、リムジンガン iPad版リムジンガン英語版iPad版 電子書籍アプリ発刊 (2012年10月)
このたびアジアプレス出版部では、リムジンガン英語版iPadアプリ(電子書籍)を発刊いたしました。
今回のiPad版は、リムジンガン英語版(Rimjin-gang English Edition - First Issue 2010年10月刊) ハードカバー装丁書籍版の電子版にあたります。
北朝鮮人自身が国内の状況を取材し、社会、経済、人びとの姿をつぶさに伝える姿に、ウォールストリート・ジャーナル、ニューヨーク・タイムズ、ワシントンポスト紙をはじめとした国内外のメディアから多くの賞賛が送られました。危険を冒しながらも、彼らが密かに撮影した写真は北朝鮮国内の実情をありのままに伝え、証拠力と精度の高い情報として、研究者、国際機関などからも高い評価を得ています。
このたび、ハードカバー書籍版(English Edition First Issue - Hardcover)のデータをすべて電子書籍化し、iPad用にアプリ形式で配信することにいたしました。全編にわたりハードカバー書籍版と同じ内容を収録しておりますが、北朝鮮国内を撮影した内部写真は、ほとんどがカラー表示となります。
書籍版では再現できにくかった、北朝鮮国内を撮影した写真をカラーにてご覧いただけます。
全4章だての分冊配信で、第1章(Chapter 1)は 無料 で提供いたします。
2章~4章は課金配信(章ごと/15ドル)となります。
北朝鮮人自身による北朝鮮取材記録と写真をiPadで配信する試みは世界で初めてです。
これまで英語による既存の北朝鮮情報は限定的であり、メディア、研究者、国際機関の関心を満たすには十分とはいえませんでした。リムジンガン英語版- iPad版は、画一的な北朝鮮報道に一石を投じるとともに、北朝鮮という国、そして人びとを理解するうえで必携アプリのひとつとなることでしょう。
このたびのiPad版発刊を英語圏のご友人にも紹介していだければ、北朝鮮に関する有力な情報源となるのはもとより、国際的な関心も喚起されることになるかと存じます。
また、まだリムジンガン英語版ハードカバー版(第1号 - First Issue)をお持ちでない方、iPadをお持ちでない方は、この機会にハードカバー書籍版の購入をご検討されてはいかがでしょうか。書籍版はオンライン注文が可能です。
◆リムジンガン英語版(First Issue) iPad版
iTunes/App Store からダウンロードいただけます。(1章は無料配信。2~4章は有料配信)
現在は、iPadのみの対応です。(iPhoneには対応していません)
Requirements: Compatible with iPad. iOS 5.0 以降
iTunesへのリンク>>>https://itunes.apple.com/us/app/rimjin-gang/id522306952?l=ja&ls=1&mt=8