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井田茂×川端裕人 「系外惑星の発見はなぜノーベル賞に選ばれたのか――『ハビタブルな宇宙』刊行記念イベント」(2019/12/9収録)@Rsider
【収録時のイベント概要】
「太陽系中心主義を覆したのは、 巨大科学ではなく少人数の研究チームだった! 新しい宇宙観が生み出す新しい生命観に期待だ。」
東浩紀(井田茂 著『ハビタブルな宇宙――系外惑星が示す生命像の変容と転換』 帯推薦文)
2019年度のノーベル物理学賞は、 太陽以外の恒星の周りを回る惑星(系外惑星)を発見した業績で、 スイス・ジュネーブ大学のマイヨール氏、ケロー氏に授与された(ビッグバン宇宙論の基礎を築いた、アメリカ・ プリンストン大学のピーブルズ氏と同時受賞)。
太陽系以外に惑星が存在することは、フィクションの世界ではよくある設定だ。
しかし、それらを実際に観測し、検証することは容易ではない。惑星は自ら光を発しないため非常に暗く、また中心にある恒星の光によって惑星の姿はかき消されてしまうからだ。
マイヨール氏とケロー氏が人類として初めて系外惑星を発見したのはわずか四半世紀前、1995年のことである。
それ以降、ケプラー宇宙望遠鏡の設置や観測技術の革新のため、系外惑星は続々と発見されていく。
驚くべきは、系外惑星系はきわめて多様で、われわれの太陽系のあり方が決して当たり前ではないということだ 。
生命を宿す惑星の研究においても「ハビタブル(生命居住可能領域)」の定義は変容し、われわれの「生命」 に対する考え方そのものが相対化されようとしている。
東浩紀はそんな系外惑星に対して哲学的、人文的な関心を強く持ち、2015年には系外惑星研究の第一人者である井田茂氏を招いて、ゲンロンカフェでイベントを開催した(2015年5月13日、井田茂×東浩紀「系外惑星から考える――太陽系は唯一の可能性か」。Vimeoまたはニコニコ動画でアーカイブを視聴可能)。
同イベントは非常に好評で、ゲンロンカフェ5周年の際の「もういちどやってほしいカフェイベント」アンケートで歴代2位にランクインするほど、伝説のイベントとなっている。
この度ゲンロンカフェでは、11月末に発売される井田氏の新著『ハビタブルな宇宙――系外惑星が示す生命像の変容と転換』 の刊行を記念し、ゲンロンカフェ「系外惑星」 イベント第2弾を開催。
今回の聞き手には、小説家・ ノンフィクション作家の川端裕人氏をお招きする。川端氏は昨年、著書『我々はなぜ我々だけなのか』(2018年、科学ジャーナリスト賞2018と講談社科学出版賞を受賞) をめぐってゲンロンカフェにご登壇いただいた。
われわれの生命観、世界観に革命をもたらす系外惑星。
その意義と魅力を紹介する、知的刺激に満ちた内容は必見!
系外惑星の発見はなぜノーベル賞に選ばれたのか – ゲンロンカフェ
https://genron-cafe.jp/event/20191209/
井田茂 × 東浩紀「系外惑星から考える ──太陽系は唯一の可能性か」【2015/5/13収録】@hazuma
「系外惑星」とは、太陽系以外で、太陽以外の恒星を公転する惑星のこと。その存在は古くから想像されていたが、実際に発見されたのはつい20年前、1995年のことである。人類はそれまで、太陽系というひとつ以外の惑星系を知らなかった。ところが、それ以降、ケプラー宇宙望遠鏡の設置や観測技術の革新のため、続々と新たな系外惑星が発見され続ける。いまや2000個近くの系外惑星が発見されており、銀河系の恒星の半分以上には惑星系が付随するとも言われ、地球のように生命を宿す惑星の発見も現実味を帯びてきている。
系外惑星が続々と発見され、太陽系の構造が必ずしも惑星系の標準ではないことが発見されることで、わたしたちがもつ「太陽中心主義」「地球中心主義」も覆されつつある。近代哲学の祖であるイマニュエル・カントは、ラプラスとともに太陽系の生成構造について最初の仮説を立てた哲学者でもある。系外惑星の発見は、哲学的な事件でもあるのではないか。
哲学者、そしてSF作家の東浩紀が系外惑星研究の第一人者であり、『地球外生命』(長沼毅氏との共著)、『異形の惑星』など一般的向けの著書も数多く発表している東京工業大学教授の井田茂氏を招き、研究の最前線、方法論の進化、その発見が持つ驚くべき意味を問いかける。東は井田氏のかねてからの読者で、東からのラブコールで今回の対談は実現した。科学と哲学が交差する奇跡の夜!
物理かふぇ 著者と語る物理の楽しさ#6~ 惑星ってどうやってできるの? 太陽系から系外惑星へ、銀河系に充満する「地球 (Earths)」~ 井田 茂(東京工業大学 地球生命研究所・教授(副所長))パネリスト:大久保 毅(東京大学物性研究所・特任研究員)、島田 誠(共立出版)@ジュンク堂池袋本店
2015/11/5収録『基本法則から読み解く 物理学最前線』(共立出版)シリーズ刊行記念井田 茂(東京工業大学 地球生命研究所・教授(副所長))パネリスト:大久保 毅(東京大学物性研究所・特任研究員)、島田 誠(共立出版) 私たちの住む地球は太陽系の1つの惑星です。最近の映画「インターステラー」をご覧になったかたもいらっしゃると思います。この映画では人類が移住する惑星を太陽系の外に探しに行くところから話は始まりますが、人類が移住できるかもしない惑星ということは、すでに他の生命が暮らしているかもしれない惑星ということになります。観測技術が進歩して、太陽系以外の惑星系が猛烈な勢いで発見されていて、生命が住んでいるかもしれない惑星も膨大な数が存在していることがわかってきました。 20年前までは、人類が知っている惑星系としては太陽系だけでしたが、今や数千もの惑星系の分布を議論する時代に入っていて、惑星研究は方法論から全く変わってしまいました。この20年でわかったことは、惑星系はそれまでの想像を遥かに越えて多様であり、それまでの想像を遥かに越えて存在確率が高く、銀河系の恒星の半分以上に惑星系が存在するということです。このことは、「生命が住む惑星」という概念も「地球」のイメージに縛られなくなって大きく広がったということを意味します。惑星研究の専門家からすると、映画「インターステラー」で出ていくる惑星はずいぶんと「地球」のイメージに縛られたものだなあと思います。 最新の観測結果と理論モデルをもとに、系外惑星と惑星がどうやってできるのか、太陽系は特別なのか普通なのか、系外惑星に他の生命は住んでいるのか、住んでいるとしたらどうやって確かめるのかについて、皆さんと一緒に楽しみながら、その魅力を知ってもらいたいと思います。【講師紹介】井田 茂(いだしげる)東京工業大学 地球生命研究所・教授(副所長)1960年東京生まれ。都立富士高校卒業。京都大学理学部物理系卒業。東京大学大学院理学研究科地球物理学専攻修了。理学博士(東京大学)。東京大学教養学部助手(宇宙地球教室)。東京工業大学理学部助教授(地球惑星科学)などを経て、現職。著書に『異形の惑星』(NHK出版)、『スーパーアース』(PHP出版)。『系外惑星』(ちくま書房)、『地球外生命』(岩波書店、共著)など。趣味は研究。【パネリスト】大久保毅1978年福岡県生まれ。統計物理、磁性体の理論が専門の若手研究者。「物理(もののことわり)」を考えることが好き。なんにでも興味を持ちすぎて、一つのことに集中できないのが欠点。島田誠1979年沖縄県生まれ。編集者。幼いころの夢は物理学者。現在は「科学を親しみやすく、楽しさを広めたい!」をモットーに本作りに勤しむ日々。