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<マル激・前半>5金スペシャル・映画は歴史的悲劇をどう描いたのか/倉沢愛子氏(慶應義塾大学名誉教授)、吉田未穂氏(シネマアフリカ代表)
5週目の金曜日に特別企画を無料でお届けする恒例の5金スペシャル。今回の5金では世界で起きた虐殺の悲劇を描いた映画を取り上げる。
最初に取り上げたのは、いま話題のドキュメンタリー映画『アクト・オブ・キリング』。この映画ではインドネシアで1965年に起きた「9.30事件」の虐殺当事者が登場する。
「9.30事件」とは、クーデター未遂事件に端を発し、その後3年間にも及ぶ共産主義者の大虐殺を指す。あるクーデター未遂事件をきっかけに共産主義に寛容だった当時のスカルノ大統領が失脚し、代わって実権を握り第2代大統領の座に就くスハルト少将(当時)の下で、民兵組織や一般市民による凄惨な共産主義者への迫害が行われた。少なくても50万人、一説によると300万人もの共産主義者やその疑いをかけられた市民が虐殺されたとされる。当時インドネシアには350万人もの党員を抱える合法的なインドネシア共産党があったが、共産主義者は神を信じない輩として、イスラム教徒が多数を占めるインドネシアではそれを殺害することが正当化されていた。…
続いて取り上げたのは1994年のルワンダ虐殺を描いた『100DAYS』(邦題:ルワンダ虐殺の100日)。この5月は1994年のルワンダ虐殺からちょうど20年目にあたる。1994年4月6日にルワンダのハビャリマナ大統領が乗った飛行機が撃墜されたのをきっかけに、ルワンダで多数派のフツ族が、少数派のツチ族と穏健派フツ族を手当たり次第に鉈などで殺戮した虐殺事件では約100日間で80万とも、100万とも言われる市民が市民の手によって殺害されたという。
ルワンダ虐殺を扱った映画は『ルワンダの涙』、『ホテル・ルワンダ』、『四月の残像』などが有名だが、シネマアフリカ代表でアフリカの映画事情などに詳しいゲストの吉田未穂氏は、『100DAYS』こそが、こうしたルワンダ虐殺映画の原型となった作品で、ルワンダ人のプロデューサーが犠牲者の視点から悲劇を描いたものだと言う。映画では、国際社会がいかに無力だったか、頼りにしたキリスト教の教会、神父がいかに犠牲者らを欺いていたかが描き出される。しかし、表現のトーンはあくまでも淡々としていて、それがかえって欧米からみるとセンセーショナルな虐殺の悲劇が、ルワンダ人にとっては当たり前の史実であるという認識の差、受け取り方の温度差を突きつけてくる。
吉田氏は現在のルワンダ社会は20年前の悲劇を少しずつだが総括しつつあり、女性の社会進出も目覚ましく、首都のキガリには高層タワービルやショッピングモールなども建ちはじめているという。ただ、映画で虐殺者側の視点からあの悲劇を取り上げた作品も出始めているとは言え、インドネシアのケースと同様に、当時の虐殺の当事者がルワンダ社会の中枢に多く残っている今、虐殺のような歴史的な悲劇を総括することは容易ではない。
今回の5金スペシャルでは、第1部で『アクト・オブ・キリング』を通してインドネシアの「9.30事件」から現在までの実相を、そして第2部では『100DAYS』から見えてくるルワンダ虐殺を取り上げて、それぞれのゲストともにジャーナリストの神保哲生と社会学者の宮台真司が議論した。
後半はこちら→so23675906
<マル激・後半>5金スペシャル・映画は歴史的悲劇をどう描いたのか/倉沢愛子氏(慶應義塾大学名誉教授)、吉田未穂氏(シネマアフリカ代表)
5週目の金曜日に特別企画を無料でお届けする恒例の5金スペシャル。今回の5金では世界で起きた虐殺の悲劇を描いた映画を取り上げる。
最初に取り上げたのは、いま話題のドキュメンタリー映画『アクト・オブ・キリング』。この映画ではインドネシアで1965年に起きた「9.30事件」の虐殺当事者が登場する。
「9.30事件」とは、クーデター未遂事件に端を発し、その後3年間にも及ぶ共産主義者の大虐殺を指す。あるクーデター未遂事件をきっかけに共産主義に寛容だった当時のスカルノ大統領が失脚し、代わって実権を握り第2代大統領の座に就くスハルト少将(当時)の下で、民兵組織や一般市民による凄惨な共産主義者への迫害が行われた。少なくても50万人、一説によると300万人もの共産主義者やその疑いをかけられた市民が虐殺されたとされる。当時インドネシアには350万人もの党員を抱える合法的なインドネシア共産党があったが、共産主義者は神を信じない輩として、イスラム教徒が多数を占めるインドネシアではそれを殺害することが正当化されていた。…
続いて取り上げたのは1994年のルワンダ虐殺を描いた『100DAYS』(邦題:ルワンダ虐殺の100日)。この5月は1994年のルワンダ虐殺からちょうど20年目にあたる。1994年4月6日にルワンダのハビャリマナ大統領が乗った飛行機が撃墜されたのをきっかけに、ルワンダで多数派のフツ族が、少数派のツチ族と穏健派フツ族を手当たり次第に鉈などで殺戮した虐殺事件では約100日間で80万とも、100万とも言われる市民が市民の手によって殺害されたという。
ルワンダ虐殺を扱った映画は『ルワンダの涙』、『ホテル・ルワンダ』、『四月の残像』などが有名だが、シネマアフリカ代表でアフリカの映画事情などに詳しいゲストの吉田未穂氏は、『100DAYS』こそが、こうしたルワンダ虐殺映画の原型となった作品で、ルワンダ人のプロデューサーが犠牲者の視点から悲劇を描いたものだと言う。映画では、国際社会がいかに無力だったか、頼りにしたキリスト教の教会、神父がいかに犠牲者らを欺いていたかが描き出される。しかし、表現のトーンはあくまでも淡々としていて、それがかえって欧米からみるとセンセーショナルな虐殺の悲劇が、ルワンダ人にとっては当たり前の史実であるという認識の差、受け取り方の温度差を突きつけてくる。
吉田氏は現在のルワンダ社会は20年前の悲劇を少しずつだが総括しつつあり、女性の社会進出も目覚ましく、首都のキガリには高層タワービルやショッピングモールなども建ちはじめているという。ただ、映画で虐殺者側の視点からあの悲劇を取り上げた作品も出始めているとは言え、インドネシアのケースと同様に、当時の虐殺の当事者がルワンダ社会の中枢に多く残っている今、虐殺のような歴史的な悲劇を総括することは容易ではない。
今回の5金スペシャルでは、第1部で『アクト・オブ・キリング』を通してインドネシアの「9.30事件」から現在までの実相を、そして第2部では『100DAYS』から見えてくるルワンダ虐殺を取り上げて、それぞれのゲストともにジャーナリストの神保哲生と社会学者の宮台真司が議論した。
前半はこちら→so23675896
<マル激・後半>5金スペシャル・今、アフリカ映画が熱い/吉田未穂氏(シネマアフリカ代表)
5週目の金曜日に特別企画を無料でお届けする恒例の5金スペシャル。5金ではこれまで何度となく映画を特集してきたが、今回は初めてアフリカ映画を取り上げる。
奇しくも6月1日から3日までの3日間、横浜でアフリカ開発会議(TICAD)が開かれている。1993年に日本政府の肝いりでスタートしたこの会議は、その後も5年毎に日本で開催されており、今回で5回目だ。安倍首相はアフリカ各国の首脳が勢揃いした開会式で、政府開発援助(ODA)約1.4兆円を含む最大で3兆円超の官民支援を表明するなど、54カ国10億人規模のアフリカ市場を意識して、日本の関与を強める構えだ。そこで今回の5金では、アフリカ映画を日本に紹介する市民団体「シネマアフリカ」代表でアフリカに造詣が深い吉田未穂氏とともに、アフリカ映画から見える「今のアフリカ」を考える。
まず取り上げたのはナイジェリア映画の『恋するケータイ in ラゴス』(原題:PHONE SWAP)。ナイジェリアはいまや世界有数の映画国家になりつつある。制作本数だけでみると年間2400本を超えて既に世界ナンバーワンとも言われている。そんな活況を前に関係者はナイジェリア映画界のことを、ハリウッドをもじった「ノリウッド(Nollywood)」と呼ぶほどだ。『恋するケータイin ラゴス』では、男女二人が携帯電話を取り違えるという設定のもとで、ナイジェリアの都市部と地方の格差・落差が浮き彫りになるコメディ映画だ。・・・・
この作品は当たり前のことだが、われわれには、なかなか馴染みのないアフリカの現実を映している。
次に取り上げたのは『アフリカ・パラダイス』(原題:AFRICA PARADIS)。アフリカとヨーロッパの立場をそっくり入れ替えた世界が描かれる作品だ。時は2033年。「アフリカ合衆国」が世界一の超大国となり、ヨーロッパは没落してフランスの失業率は60%以上に達し、人々はアフリカへの移住を夢見ている。一方、裕福なアフリカでは白人はずるくて怠け者だという悪評が定着していて、ヨーロッパからの移民政策をめぐっては容認派と反対派が対立する。作品で白人が直面する困難は、現在のアフリカが抱える悩みそのものだ。
われわれはアフリカを考える時、知らず知らずのうちに、アフリカは常に弱者であり、それを「支援してあげている」という上からの目線や態度で受け止める傾向がある。そのため、西洋諸国の描くアフリカは、どうしてもそのようなものに陥りがちだ。そして、自分たちが作り上げた先入観やステレオタイプによって、更にそのイメージが固定化していく。アフリカ人の手で作られた映画には、ありのままのアフリカが描かれているかもしれない。映画を通じて見えてくる肌感覚のアフリカについて、ゲストの吉田氏とともにジャーナリストの神保哲生と宮台真司が議論した。
後半はこちら→so21012361
<マル激・前半>5金スペシャル・今、アフリカ映画が熱い/吉田未穂氏(シネマアフリカ代表)
5週目の金曜日に特別企画を無料でお届けする恒例の5金スペシャル。5金ではこれまで何度となく映画を特集してきたが、今回は初めてアフリカ映画を取り上げる。
奇しくも6月1日から3日までの3日間、横浜でアフリカ開発会議(TICAD)が開かれている。1993年に日本政府の肝いりでスタートしたこの会議は、その後も5年毎に日本で開催されており、今回で5回目だ。安倍首相はアフリカ各国の首脳が勢揃いした開会式で、政府開発援助(ODA)約1.4兆円を含む最大で3兆円超の官民支援を表明するなど、54カ国10億人規模のアフリカ市場を意識して、日本の関与を強める構えだ。そこで今回の5金では、アフリカ映画を日本に紹介する市民団体「シネマアフリカ」代表でアフリカに造詣が深い吉田未穂氏とともに、アフリカ映画から見える「今のアフリカ」を考える。
まず取り上げたのはナイジェリア映画の『恋するケータイ in ラゴス』(原題:PHONE SWAP)。ナイジェリアはいまや世界有数の映画国家になりつつある。制作本数だけでみると年間2400本を超えて既に世界ナンバーワンとも言われている。そんな活況を前に関係者はナイジェリア映画界のことを、ハリウッドをもじった「ノリウッド(Nollywood)」と呼ぶほどだ。『恋するケータイin ラゴス』では、男女二人が携帯電話を取り違えるという設定のもとで、ナイジェリアの都市部と地方の格差・落差が浮き彫りになるコメディ映画だ。・・・・
この作品は当たり前のことだが、われわれには、なかなか馴染みのないアフリカの現実を映している。
次に取り上げたのは『アフリカ・パラダイス』(原題:AFRICA PARADIS)。アフリカとヨーロッパの立場をそっくり入れ替えた世界が描かれる作品だ。時は2033年。「アフリカ合衆国」が世界一の超大国となり、ヨーロッパは没落してフランスの失業率は60%以上に達し、人々はアフリカへの移住を夢見ている。一方、裕福なアフリカでは白人はずるくて怠け者だという悪評が定着していて、ヨーロッパからの移民政策をめぐっては容認派と反対派が対立する。作品で白人が直面する困難は、現在のアフリカが抱える悩みそのものだ。
われわれはアフリカを考える時、知らず知らずのうちに、アフリカは常に弱者であり、それを「支援してあげている」という上からの目線や態度で受け止める傾向がある。そのため、西洋諸国の描くアフリカは、どうしてもそのようなものに陥りがちだ。そして、自分たちが作り上げた先入観やステレオタイプによって、更にそのイメージが固定化していく。アフリカ人の手で作られた映画には、ありのままのアフリカが描かれているかもしれない。映画を通じて見えてくる肌感覚のアフリカについて、ゲストの吉田氏とともにジャーナリストの神保哲生と宮台真司が議論した。
後半はこちら→so21012367