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北海道・泊原発の年内“合格”は「楽観的」 原子力規制委員会委員長
原子力規制委員会の更田豊志委員長は5月19日、北海道電力泊原発(後志管内泊村)を就任後初めて視察し、記者団の取材に答え、安全対策に一定の評価をする一方、再稼働に向けた規制委の安全性審査を年内に合格する可能性について「あまりに楽観的だと思う」と述べ、否定的な考えを示した。
更田氏は昨年9月の就任以降、各地の原発で国の新規制基準に基づく対策を視察。この日は電源喪失を想定して屋外の電源車から電気を送る訓練などを確認した。安全性審査の焦点である敷地内の断層についても、年代測定のための地質調査の説明を受けた。
更田氏は、断層の活動性の有無について「数カ月かけて取らなければならない(新たな)データが必要と指摘しているわけではない」として、活断層ではないとする北電に合理的な説明を求め、審査を進めたい考えだ。
泊原発再稼働の審査は申請開始から約5年と長期化しており、規制委の人手も割かれていることに「一定の懸念を持っている」とも述べた。ただ、耐震設計の目安になる基準地震動の確定など複数の課題が残っていることから、年内に審査合格に当たる原子炉設置変更許可を出すのは難しいとの見方だ。
また、更田氏は、定期点検などで発生する低レベル放射性廃棄物の処理施設建設を北電が敷地内に計画していることについて、処理施設の審査を再稼働審査と並行して進められないか、事務方に検討を指示したことを明らかにした。
北海道新聞2018年5月20日00:38 更新
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/191089