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広がるSTEAM教育 異分野融合型教育の新たな潮流
理数教育に芸術やリベラルアーツの発想を取り入れ、実社会で必要な総合力を育む「STEAM教育」。社会課題の解決や、新しい価値を創造する能力を引き出そうというこの理念は、教育の現場でどう生かされているのでしょうか。
【ソフトウェアトーク限凸祭】EdTechとSTEAM教育
GXリーグ基本構想・スーパーシティ・デジタル田園健康特区
https://www.nicovideo.jp/watch/sm40292634
EdTech導入補助金2022
https://www.edt-hojo.jp/
STEAM教育等の各教科等横断的な学習の推進
https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/new-cs/mext_01592.html
STEAM教育等の教科等横断的な学習の推進について(PDF:1240KB)
https://www.mext.go.jp/content/20210714-mxt_new-cs01-000016477_004.pdf
「Digi田甲子園」開催宣言
https://www.kantei.go.jp/jp/101_kishida/discourse/20220427message.html
新しい資本主義実現本部/新しい資本主義実現会議
https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/atarashii_sihonsyugi/index.html
GXリーグ基本構想・スーパーシティ・デジタル田園健康特区 sm40292634
STEAM教育の授業 生徒は何を感じた?「STEAM教育の授業ってどんなもの?」
知っておきたいデータや情報をひもとく「input」。今回のテーマは「STEAM教育の授業ってどんなもの?」。Barbara Pool代表取締役の井上祐巳梨さんに話を聞いた。
東京の麹町中学校で行われたSTEAM教育の体験授業。「アクアポニックス」という水産養殖と水耕栽培を組み合わせた「循環型農業」を通して学びます。魚の排泄物を微生物が分解して栄養分を作り植物が栄養分を根から吸収、浄化された水が再び水槽へ戻る仕組みです。
生徒「これ地球じゃん!」
これはS=サイエンスの要素ですが、さらに生徒たちが先生の立場になって授業設計を考えます。これは、A=芸術、つまり考えて生み出す力を養うといいます。
発表する生徒「おしゃれでインテリアにも使えると思ったので、ここに好きな植物を植えたりとか、きれいなお花とか」
生徒「自分で(授業を)受けたときに、どうやったら楽しいとか考えるのが難しかったけれど楽しかった」
主催者の田中あゆみさん「STEAM教育ってものを使えば、それが現実世界とか社会でも通用できるような考え方っていうのが身につくのかなと思っていて、そこがすごく私は魅力的だと思います」
――今回は、STEAMの「S」に重きをおいていたんですが、水槽の下にプログラミングの基板を置いてT=技術とE=工学も学ぶワークショップもあるということです。
まさにサイエンス・アート・プログラミング、その組み合わせですね。その分野の横断型というところで、まさにSTEAM教育だと思うのと同時に、やはり先生の立場になって授業の設計を生徒たちが実際に行う、これは非常に重要なポイントだと思います。
当事者じゃなく受動的に受けていると「つまらないな」とかいろいろ言ってるところが、実際に当事者になって、自分たちがやってみるとそれがどうなのか、どういうふうに伝わっていくのかなども含めて、生徒たちが考えていく。これはすごく重要なことだと思います。
――インタビューの中で、先生はいつも大変なんだなという声もあって、色々な人の立場になるというのは、すごく柔軟な考え方が生まれるなと思いました。
まさに、社会でも適応する、通用する、そういう力をつけていく授業とおっしゃっていましたけど、まさにその通りだと思います。
――主催した田中さんは、まだ大学生なんですが大好きな先生が大変そうだったから、こういうワークショップをする授業をしているそうです。
すばらしいですね。先生の課題を自分で解決しようというところ、そこもまさにSTEAMの部分となっていると思います。
「STEAM教育」普及の課題は b
世の中で議論を呼んでいる話題について、ゲストに意見をうかがう「opinions」。今回のテーマは「STEAM教育 普及の課題は」。「STEAM教育」の普及に取り組むBarbara Pool代表取締役の井上祐巳梨さんに話を聞いた。
子どもたちが、創造的・論理的に考え、未知の課題やその解決策を見いだす力を育むため、国もSTEAM教育の推進を図っている。
経済産業省では2018年に新しい学びの社会システムをつくるためのプロジェクト「未来の教室」をスタート。教育現場にベンチャーや学習塾のノウハウを導入するなどして実証実験を行っている。
また、文部科学省でも中央教育審議会でSTEAM教育の推進につ向けて、審議しているところだ。
――井上さん、今後、普及にむけて、どこが課題となるのでしょうか。フリップをお願いします。
「『教えられる人』を“つなぐ”」。
まさにここだと思います。まだ比較的新しい分野なので、教えられる人がいないという話が出てくるのですが、実際にはいるんですね。
それは、それぞれの企業だとか、それぞれプロフェッショナルにやられている方々、例えばエンジニアリングのプロフェッショナル、アーティストの方だとか、それぞれの方が実際に教えられるんです。そういう人と学校の公教育をきちっとつなげていくことが、普及していくうえで、すごく重要になってくると思っています。
イギリスでは、国内に約3万人のSTEAMアンバサダーという人たちがいます。実際に2500の企業が加盟して、皆さんが公教育に入って生徒たちに色々なことを教えていく取り組みというのは、盛んに行われています。日本は、そこがまだまだで、企業とのコラボレーションを一部やっているところもあるという感じですね。
――一部やっているところで、具体例はありますか。
例えば、広尾学園をはじめとするいくつかの高校生たちが集まって、AIの技術を使って現代のモーツァルトをよみがえらせる。そういうのを、実際に曲からプロモーションまで、生徒たちが行っている事例や、コラボレーションの事例はあります。
――STEAM教育が普及していくうえで、家庭においての課題は何かありますか。
やはり公教育と企業をつなげていくと同時に、家庭がすごく重要なポイントだと思います。AIを作る高校生とかが「受験に関係ないでしょう」と止められてしまうようなケースもあると聞いています。学校だけではなく、家庭でもそういった概念というか、そういうものが必要になってくると思っています。
――みんなが少しずつ意識を変えていかないといけないですね。
世界が注目する「STEAM教育」とは?a
Barbara Pool代表取締役の井上祐巳梨さんに、なぜ「STEAM教育」の普及に取り組むのか話を聞いた。
■井上祐巳梨さんプロフィル
経済産業省などが推進する新たな教育「STEAM」の実証事業者として、教員むけのカリキュラムの開発などを行っている。「STEAM教育」とは、科学・技術・工学・芸術・数学を横断的に学ぶ教育方法。問題を解決する力や今までにないものを創造する力を育むとして教育現場で世界的に注目されている。大学在学中から地域の町おこしイベントなどを手がけてきた井上さんは、大手広告代理店を経て独立し、地域のブランディングなどを展開してきた。0から1を生み出す楽しさを伝えることを目指している。