【吉幾三】おら窓を開けた時だ【遊佐未森】

【吉幾三】おら窓を開けた時だ【遊佐未森】

朝もやの街角に、いつも通りの散歩道。ふと彼は、遠い昔のことを思い出す。すべてが変わってしまった。あの頃のように牛を連れてはいない。今はただ俺ひとり。この巨大な都市に暮らして、2時間ちょっとの朝の散歩の習慣だけが変わることがなかった。廻りだす記憶のフィルム。何もなかったあの頃。そして君がいた。そうか、俺はまだ君を忘れられないのか。上京してからかぞえきれない夜と朝を迎え、もう故郷へ戻ることはないだろう、そう思っていた。だがいつかは俺も、ふいに帰ることがあるのかもしれない。またひとつの朝を迎えて帰宅した彼は今、窓を開け放ちながら帰郷の予感を覚えていた。そんなフィクション。窓を開けた時 sm4948136 mylist/9761009

http://www.nicovideo.jp/watch/nm5670069