アメリカ経済の司令塔が辞任 トランプ大統領と高関税で対立

アメリカ経済の司令塔が辞任 トランプ大統領と高関税で対立

ホワイトハウスは3月6日、国家経済会議(NEC)のコーン委員長が辞任すると発表した。同委員長は2017年の税制改革案の策定において主要な役割を果たし、トランプ政権内での保護貿易主義の台頭に対する防波堤ともなっていた。政府高官らによると、関税を巡る議論がコーン氏に辞任を決意させるきっかけとなったものの、それだけが理由ではないという。ある高官は、辞任につながる複数の問題があったと指摘し「コーン氏の最大の使命は減税法案であり、税制改革は成立した」と述べた。辞任の時期は、数週間先。「国家のために奉仕し、歴史的な税制改革など成長を促進して国民の利益に資する経済政策を実現できたことは光栄だった。この機会を与えてくれた大統領に感謝し、大統領と政権が将来大きな成功を収めるよう祈っている」とのコーン氏の声明を公表した。 コーン氏のNEC委員長としての在任期間は1年強だった。 辞任報道を受け、ドルは下落。S&P総合500種指数や同指数に連動する上場投資信託(ETF)「SPDR・S&P500・ETFトラスト」は1%下落した。 ホワイトハウス関係者によると、トランプ大統領が前週に鉄鋼とアルミニウムの輸入製品に高い関税を課すことを提案する前、コーン氏をはじめとする自由貿易主義者らと、国家通商会議のピーター・ナバロ議長ら保護貿易主義的な顧問らの間で激しい議論が交わされたという。米政権が中国を為替操作国に指定する方針を2017年4月に撤回した際や、北米自由貿易協定(NAFTA)から離脱せず再交渉に切り替えた際にも、コーン氏の影響力が大きかったとみられている。コーン氏に近い関係筋によると、トランプ大統領との関係が悪化し始めたのは2017年夏のこと。同氏は、バージニア州シャーロッツビルで白人優越主義者らと反対派が衝突した事件を巡り、大統領の発言に異論を唱えていたという。コーン氏の上司だったゴールドマンのロイド・ブランクファイン最高経営責任者(CEO)はツイッターで「コーン氏は、一流の方法で国家に奉仕したことに対する賞賛を受けるにふさわしい。多くの人々と同様、辞任を残念に思っている」と述べた。 https://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2018/03/post-9675.php

http://www.nicovideo.jp/watch/sm32846839