タイ軍事クーデターから4年 総選挙実施を求めデモ

タイ軍事クーデターから4年 総選挙実施を求めデモ

タイの軍事クーデターから2018年5月22日で4年を迎えた。軍政は総選挙を来年2月までに実施するとしているが、延期の可能性も指摘されている。  デモ隊は21日夕、バンコクのタマサート大で集会を開催。構内で一夜を明かし22日朝、約3キロ離れた首相府に向かおうとしたが、すぐに警官隊に阻まれた。当局は混乱に備え、警察官約2500人を配備。午後には首相府前で「選挙は今年11月に実施されなければならない。軍政は以前、そう約束していたはずだ」との声明を発表した主要メンバー5人を含む14人が逮捕された。  参加者のパサート・ユーサワイさん(78)は「タイには市民が民主主義を勝ち取った歴史があるのに、後退してしまった。軍政は何度も総選挙を延期しており、今度も信じられない」と話した。  この4年間について、チュラロンコン大のスラチャート・バムルンスック教授は「国民の権利と自由が後退する一方、軍はさまざまな分野で、かつてないほど影響力を拡大させた」と指摘する。軍政は支配の長期化も視野に入れ、今後20年にわたる国の経済、社会の長期戦略も策定した。  現時点でデモへの参加者は限定的で、総選挙を早期に実施することへの国民の関心は高いとは言えない。スコタイ・タマティラート・オープン大のユタポン・イサラチャイ准教授は「早期の総選挙が実現しても、かえって混乱が拡大するだけと懸念する人が都市部の中間層に多い」と分析。選挙関連法が全て施行されていないことも踏まえ、ユタポン氏は「実施は早くても来年だ。最悪の場合は1、2年遅れることもありうる」と指摘する。  軍政は、総選挙に踏み切ったとしても、プラユット暫定首相の続投を目指すとみられる。ただ、選挙では、軍政と対立するタクシン元首相派のタイ貢献党が第1党になることも有力視される。貢献党と並ぶ大政党の民主党が、軍政と貢献党のどちらに歩み寄るかも今後のかぎを握りそうだ。毎日新聞2018年5月22日 19時57分(最終更新 5月23日 13時02分) https://mainichi.jp/articles/20180523/k00/00m/030/071000c

http://www.nicovideo.jp/watch/sm33255747