【朗読】山本周五郎 「中央銀行三十万円紛失事件」

【朗読】山本周五郎 「中央銀行三十万円紛失事件」

終戦直後に書かれた作品だが、作中の時代設定は戦前となっており、作中に登場する警察機構も内務省時代のものである。ある地方都市の警察署に、五道三省(ごどう さんしょう)という風変わりな署長が赴任してきた。署でも官舎でも寝てばかりで、口さがない新聞からは「寝ぼけ署長」というあだ名をつけられ、署内でも世間からもお人よしの無能だと思われていた署長だが、5年後に離任することになった際には、署内からも世間からも別れを惜しむ人々が続出し、貧民街では留任運動すら起こされることなった。五道署長の在任中、犯罪事件は前後の時期の十分の一、起訴件数も四割以上減少していた。そのため「寝ぼけ署長でも勤まる」などと揶揄されていたが、実は切れ者で辣腕家の署長が、いち早く真相を突き止めており、しかも、人情家の署長が、罪を憎んで人を憎まずの精神から、過ちで罪を犯してしまった人間を可能な限り救済しようと、巧妙に工作していたからだったのである。そんな署長の活躍ぶりを、署長の秘書のような役割をつとめていた「私」が回想する。朗読 山本周五郎 寝ぼけ署長 中央銀行三十万円紛失事件 ラジオドラマ

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