オウム真理教事件 松本智津夫死刑囚ら7人の死刑を執行

オウム真理教事件 松本智津夫死刑囚ら7人の死刑を執行

 法務省は7月6日、1995年3月の地下鉄サリン事件など計13事件で27人を死なせたとして有罪が確定した、オウム真理教元代表の松本智津夫(麻原彰晃)死刑囚(63)ら7人の教団元幹部の死刑を執行したと発表した。一連の事件では13人の元教団幹部の死刑が確定しており、執行は初めて。 松本死刑囚の死刑は東京拘置所で執行された。2006年に死刑が確定しており、12年を経ての執行となった。他に執行されたのは東京拘置所の土谷正実(53)、遠藤誠一(58)、大阪拘置所の井上嘉浩(48)、新実智光(54)、広島拘置所の中川智正(55)、福岡拘置所の早川紀代秀(68)の各死刑囚。 確定判決によると、松本死刑囚らは89年11月の坂本弁護士事件で3人、94年6月の松本サリン事件で7人、地下鉄事件で12人を殺害したほか、89~94年に信徒ら3人、一般人1人を殺害し、95年には信徒の家族を拉致して麻酔薬の過剰投与などで死なせた。松本死刑囚は3件の殺人未遂、サリンプラント建設の殺人予備、自動小銃密造の武器等製造法違反の罪でも有罪が確定した。 松本死刑囚は95年5月に逮捕され、裁判は96年4月から東京地裁で始まった。弁護側は事件について「弟子の暴走」などと主張したが、2004年2月の一審判決は「首謀者」と認定して死刑を言い渡した。松本死刑囚は当初は起訴内容を争う姿勢もみせたが、途中から弁護団の接見に応じなくなり、事件の詳細を語ることはなかった。公の場に姿を見せたのは、一審判決が最後となった。 控訴審では弁護団が精神鑑定の実施を求め、訴訟能力の有無が焦点となった。東京高裁が依頼した鑑定では「訴訟能力を失っていない」との結論が出たが、弁護団は「被告と意思疎通ができない」として控訴趣意書の提出を拒否。高裁は06年3月、公判を開かないまま控訴棄却で裁判を打ち切り、同年9月に最高裁が弁護団の特別抗告を棄却し、死刑が確定した。  松本死刑囚の家族は08年11月に再審を請求したが、10年9月に最高裁で退けられた。その後も請求を繰り返したが、いずれも認められなかった。 朝日新聞デジタル2018年7月6日10時31分

http://www.nicovideo.jp/watch/sm33479347