【神道シリーズ】第32回・白山信仰(朝鮮道教と天台密教と真言密教の接点)①

【神道シリーズ】第32回・白山信仰(朝鮮道教と天台密教と真言密教の接点)①

682年(天武天皇の時代)に越前(福井県)の麻生津に生まれた渡来系(朝鮮半島系・新羅)の家系の両親の下に生まれた泰澄(たいちょう)は、11歳の時に中国の玄奘三蔵法師の直弟子だった法相宗の僧侶・道昭(道照)に天童と見込まれ、14歳の時に夢に十一面観音が出てきて、指示されたように近くの越知山で山林修行を始め、そして36歳の時、夢に女神の白山神(菊理媛<ククリヒメ>)が現れ、指示されたように白山に登ると、九頭龍王に出会い、九頭龍王が自ら自分の本当の姿は十一面観音だと名乗り、ここに泰澄が白山を開山することになります。白山信仰では飛鉢(ひはつ)法と言って米の入った鉢を泰澄の弟子の臥業者(ふせりのぎょうじゃ)が飛ばして越知山に運ぶという伝承がありますが、この類似の伝承と十一面観音本尊の本地垂迹思想は白山を中心に北陸全体・美濃(岐阜県)北部・畿内へと広範に広がり、泰澄の足跡と重なるように「十一面観音信仰地帯」のようなものを形成して行きます。

http://www.nicovideo.jp/watch/sm33836212