【VOICEROID劇場】穢れと罰【プレポスト】

【VOICEROID劇場】穢れと罰【プレポスト】

(━━私が彼女をそうだ、と認識したのは既に手遅れになった後だった。今や彼女は私なんかと肩を並べて歩くことのできる近所のお姉さんではなく、一大ブームメントを牽引する大型新人アイドルなのだ。今私は、通学路で彼女の横顔を眺めているのではなく…アリーナの客席から、彼女の顔をモニター越しに眺めている。こうして会場に来てみて再確認する。…私はやはり彼女が好きだったのだ。彼女がこの手から離れてやっと離れてほしくなかったのだと実感した。それなら何故、諦めて筈の彼女のコンサートに来ているのだろうか。━━彼女がボールを手に持っている。あれは知っている、サイン入りのボールを投げてファンにプレゼントするのだろう。かごに入ったボールが少しづつ減っていく。昔の私なら。いつでもボールになんてすぐ名前を書いてもらえたのに。どうして。そう思いながら彼女を眺めていると━━。彼女が、こちらを向いてにこっ、と。ファンに向けるものとは違う、友愛に満ちている笑顔に感じた。気のせい…だろう。気のせい、に違いない。ボールが、こちらに向かって飛んでくる。私の手元に落ちたそのボールは━━『あかりちゃんへ』)ふーん、えっちじゃん

http://www.nicovideo.jp/watch/sm33856437