次世代に伝えたい事は“相手を思う手料理”

次世代に伝えたい事は“相手を思う手料理”

2018年9月18日今回の話題は「家庭ではもう料理をしない?」。栄養士や調理師など「食のプロ」が家庭に出張し、数日分の料理を作り置きするサービス「シェアダイン」の代表取締役・飯田陽狩氏に聞く。 ある公益財団法人の調査によると、食料支出にしめる外食と中食の支出額割合「食の外部化」は、2016年に43.5%となっている。1975年は28.4%で、家庭で料理を作ることが減ってきていることがわかる。ネット上ではこんな声があがった。 「今はどんな食べ物でもデリバリーしてくれる」 「外食のほうが安く済む」 「家庭料理はほっとする」 ——飯田さんに、この話題についてのご意見をうかがいます。フリップをお願いします。 「相手を慮(おもんぱか)って作る」。ネットの声でもあるとおり、外食は安価な選択肢がたくさん出てきていますし、デリバリーサービスに関しても、有名シェフが考案したようなお弁当といったものも手が届くような時代になりました。 一方で、私自身が考える家庭料理、手料理の良さというのは、相手を慮って作るということだと考えています。 例えば、私は茶わん蒸しが大好きなんですが、学生時代に嫌なこととかがあって気持ちが落ち込んでいるときなんかに、何も言っていないのに食卓に茶わん蒸しが並んでいるといったことがよくありました。 こういった気持ちのあり方もそうですし、体調が悪いときなんかは薄味がうれしいなど、おいしいと思う塩加減も体調によっては全然違ってくることがあります。産後の食事は特に典型的だと思います。 その人のライフステージによって、必要になる栄養素も変わってくるという中で、相手を慮って作るという家庭料理の価値は今後も残っていくのではないかと考えています。 わずか1世代の間に、食の外部化が急速に進んでいる現状を見ると、今の子どもたちが親になる1世代先には、もう家庭料理は残っていないのではないかと危惧しています。 いろいろ背景はあると思うのですが、1つ大きなものとして、共働き世帯数が専業主婦世帯数を追い抜いていると同時に、核家族化が進んでいるといった家庭環境の変化があると考えています。 少し前は当たり前のようにあった、「母親と一緒に台所に立つ」ということ。

http://www.nicovideo.jp/watch/sm33878178