【神道シリーズ】第44回・八百万の神とは?(仏神・外国神・人格神・家祖神・職祖神・女性神・・)

【神道シリーズ】第44回・八百万の神とは?(仏神・外国神・人格神・家祖神・職祖神・女性神・・)

八百万の神と言えば、日本にはありとあらゆる所に神様がいるというイメージで、特に保守愛国系の人たちの間では「八百万の神こそは神道」と言う人が多いですが、実は、八百万の神とは、縄文のアニミズムから生まれたものでもなければ、古事記・日本書紀に出てくる多くの神々そのものが実際に存在した日本各地の神々を取り上げてるわけでもなく、奈良時代から平安時代にかけて雑密や純密と言った密教系の仏教勢力を中心に形成された山岳信仰や地方信仰が確立していく中で、本地垂迹説的に後世になってから古事記や日本書紀の神々が(密教系の中世神学によって)あてはめられて行ったというのが実体です。古事記や日本書紀に出てきた数々の神々は基本的に名前の羅列だけでその背景の詳細が書かれてるものではありませんでした。それが、真言宗(三宝院)や天台宗(聖護院)の密教系神道を通じて本尊を仏の眷属としつつ、その垂迹(仮の姿)としての神々として古事記や日本書紀に名前の羅列だけだった神々を借用し(これを比定と言います)、中世の神道説(これが現在まで地方祭祀に反映されて行きますが)が形成され、定着して行きます。そこには、外国神(中国・朝鮮からの播神)や仏教天部の神々、道教の神々、ヒンズー教の神々などがさまざまな形で八百万の神を形成して行く姿が見られます。一方、中世以降の御霊信仰(古事記・日本書紀無関係)なども仏教(密教)の法会によって慰撫するという形で鎮霊・除霊がされ、天神などの御霊も八百万の神の一部となって行きます。

http://www.nicovideo.jp/watch/sm34442096