京都とパリ 60年の歩み

京都とパリ 60年の歩み

03月20日 0:36京都とフランス・パリが姉妹都市提携を結んでから60年の節目を記念して、さまざまな催しが行われてきました。2つの都市の交流について、1年間にわたって取材を続けてきた福本カメラマンの報告です。<対照的な2つの文化>2018年にパリの地下鉄に現れたポスターには、京都市とパリ市が友好の年をもり立てようとPRを始めた様子が描かれています。京都の舞妓と、パリのバレエダンサー、2つの街の踊り子が象徴的に紹介されています。他にも、お茶とコーヒー。和食にフランス料理。互いの食文化や街の景観が、対照的に表されています。<戦争を乗り越えて>京都とパリとの交流の芽を育てた人がいました。宮本正清さんです。戦前から京都の日仏学館でフランス語を学生たちに教えていました。しかし、太平洋戦争中、敵国のスパイ容疑で日本の当局に拘束されたといいます。妻でフランス文学研究者の宮本ヱイ子さんは「夫は『劣悪な状況の中に、自由がなく、理由も示されることなく捕らえられたと、終戦が伸びていたら、命があったかどうか危うい』と言っていました」と証言します。しかし、宮本正清さんは、文化を愛する気持ちから、信念をまげず、戦後、再び交流の糸を紡いでいきます。公式行事などで、通訳や調整役として活躍し、京都とパリの間を取り持って、友好の発展に欠かせない役割を果たしてきました。<京都とパリ 深まる絆>切り開かれた交流の礎の上に、京都とパリの親密さはさらに増していきます。1960年、昭和35年に姉妹都市提携を祝って京都市のデパートでは、「パリ展」が催されました。当時まだ珍しかったフランスの家庭用品が数多く並べられました。1984年、昭和59年にジャック・シラク氏が、当時のパリ市長として、京都を公式に訪問しました。1998年、平成10年には、京都の伝統行事も海を渡りました。姉妹都市提携40周年で、京都三大祭の一つ時代祭の行列がパリの大通りを練り歩きました。千年の都の誇りや心意気が、沿道20万人のパリッ子を沸かせました。その翌年にはパリの中心部に「京都広場」がお目見えし、今もパリ市民の憩いの場となっています。

http://www.nicovideo.jp/watch/sm34845007