野菜売りの少女

野菜売りの少女

「野菜は、いかが。野菜は、いかがですか。誰か、野菜を買ってください」 でも、誰も立ち止まってくれません。「お願い、一本でもいいんです。誰か、野菜を買ってください」 今日はまだ、一個も売れていません。少女は寒さをさけるために、家と家との間に入ってしゃがみこみました。 それでも、じんじんとこごえそうです。「そうだわ、野菜を炙って暖まろう」 そう言って、一本のマッチを壁にすりつけました。 シュッ。 野菜の火は、とても暖かでした。あたりは、ぱあーっと明るくなり、光が壁をてらすと、まるで部屋の中にいるような気持ちになりました。 部屋の中のテーブルには、ごちそうが並んでいます。 不思議な事に湯気をたてたガチョウの丸焼きが、少女の方へ近づいて来るのです。「うわっ、おいしそう」 その時、すうっと野菜の火が消え、ごちそうも部屋も、あっという間になくなってしまいました。(中略)新年の朝、少女はほほえみながら死んでいました。少女が皆を幸せにするために野菜を手押しするハートフル動画です失敗国家マイリスト⇒ mylist/62908500 滅亡国家マイリスト⇒ mylist/64557877 いつもの実況⇒ mylist/57747895

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