【神道シリーズ】第60回・恐山信仰【前編】仏教(曹洞)仏教(天台)仏教(浄土)で神道無関係の下北信仰

【神道シリーズ】第60回・恐山信仰【前編】仏教(曹洞)仏教(天台)仏教(浄土)で神道無関係の下北信仰

恐山と言えば、イメージとしてはイタコとか独特のあの世の世界のような感じが強いですが、実は、曹洞宗・天台宗を中心に浄土宗や真言宗などの仏教各派の習合による仏教だけの信仰によって成り立っており、古事記の神は一切祀られてない、所謂、仏経による仏教の為の仏教信仰の地域だとも言えます。恐山の開山は、9世紀に当地を訪れたと言われる(実際には天台僧<比叡山系>たちが訪れたのでしょうが)比叡山天台宗3代座主の慈覚太師(円仁)が開闢(かいびゃく)したと下北半島では伝わっています。慈覚太師は恐山の近くの釜臥山に恐居山金剛念寺という寺を創建し、慈覚太師は「釜臥大明神」として祀られましたが、当寺は戦国時代の戦乱の中で焼き討ちされ廃寺になってしまったのですが、17世紀に恐山を訪れた曹洞宗の僧侶・宏智聚覚(わちじゅかく)が現在のむつ市のあたりに円通寺を創建し、地蔵菩薩信仰を中心に広めて行きますが、同時に廃寺になった恐居山金剛念寺を釜臥山菩提寺として再建し、天台の慈覚太師の恐山開闢伝説を復活させ、以降、今日に至るまで円通寺の地蔵尊信仰と天台の大覚院の釜臥大明神信仰の両立で成り立つようになりました。

http://www.nicovideo.jp/watch/sm35184426