1億円という端金に目が眩んで夜桜と八重沢を手にかけて神楽に罪を擦り付けたまでは良かったがチームhooseに証拠を提示されて焦った挙句キャラを捨てて醜く自己防衛と正当化を始めてしまった花京院お嬢様のお姿

1億円という端金に目が眩んで夜桜と八重沢を手にかけて神楽に罪を擦り付けたまでは良かったがチームhooseに証拠を提示されて焦った挙句キャラを捨てて醜く自己防衛と正当化を始めてしまった花京院お嬢様のお姿

「あ…れ…?」不意に誰が漏らしたか。その場にいた誰もが疑問にする。正解に辿りついたのは、ピノただ1人だった。「た、たまお姉ちゃん!」そう…夜桜はまだ息を引き取っていなかったのだ。場は騒然とするも、ハッとした神楽が慌てて救急箱を取りに向かう。「ピ…ノ…ちゃん…?」「そ、そうですわ!しっかりしてください!」気を強く保て、口を開くな、そんな声援が無造作に飛び交う。だが夜桜の耳には届かない。気が動転していたのだろう。虚ろげな目で脈絡のない言葉をひたすらに繰り返していたのだが。「み、みなさん!お静かに…」喧しい部屋の中、夜桜は全てを話そうとした。しかし朦朧とする意識の中、彼女が告げたのはたったの一言。「はん…にん…は…」震える手を差し伸べ、ある方向を指で示す。そしてそのまま…夜桜は還らぬ人となった。「お姉ちゃん!しっかりしてよ!お姉ちゃん!」全てに失望したように泣きくれる。だが後ろの者達は、別の意味で絶望を顔に浮かべていた。涙を拭いて顔を上げ、ピノは改めて彼女の指差した方を見た。「皆さん…ごめんなさい遅れて…!」神楽が慌てて帰ってきた時、彼女は思わずたじろいだ。ピノら全員が自分の方を畏怖した表情で見つめ返したからだ。それでも直ぐに慌てて部屋の中に入る。そして…全てを理解し、恐怖で体を震わせた。この部屋の壁には、木の名札が飾られていた。アイドル部全員分の名前が揃っていた。そして夜桜が指差していた先には、1枚の名札が飾られており、神楽すずの名が彫られていた。~~~他でもない被害者の言葉だったが、それでも信じない者がいた。もこ田、ヤマト、金剛の3人は「神楽すずの無実を証明し隊」を結成し、独自の調査を始めていた。彼女は無実だと信じた執念の捜査で、そのことに最初に気が付いたのはヤマトだった。「ね、ねぇ2人とも!」3人は夜桜の倒れていた部屋にいた。腕をパタパタ振る彼女の指差した先には、あの神楽すずの名札があった。此処でようやく2人とも気が付いた。名札に不自然な…取り外した痕があったのだ。「これって…つまり…!」そう。なんて事のない有り触れたトリック。犯人は予め自分と神楽の名札を入れ替えていたのだ。罪をなすりつける為に。夜桜は非常に頭が良く、きっと名札の並び方も全て頭に入れていたのだろう。それを逆利用したわけだ。となれば今からやることは1つ。他に取り外した痕がある名札がないか探せば良い。そこに気が付いてからは早かった。そして、全ての名札を調べた結果、他に痕があった名札は、たったの1枚だけだったのである。

http://www.nicovideo.jp/watch/sm35391298