【神道シリーズ】第64回・八百万の神㉔石鎚山信仰【後編】神社から大般若経と護摩と法螺貝が

【神道シリーズ】第64回・八百万の神㉔石鎚山信仰【後編】神社から大般若経と護摩と法螺貝が

前回も説明しましたように、石鎚山信仰は明治の廃仏毀釈や神仏分離および山岳信仰の神社神道(国家神道)化に失敗した典型的な例と言えます。石鎚山信仰の中心であった前神寺や横峯寺を廃して、石鎚山に「石鎚神社」を作るのに明治維新以降35年もかかり、やっと両寺を廃して石鎚神社を作ったにもかかわらず、1年もしないうちに前神寺と横峯寺は復活し、根強い石鎚講の組織を背景に、両寺を支配していた真言宗御室派は、新たに石鎚山真言宗という真言宗派を結成し、「石鎚山本教」という教団を作り、それがそのまま新設の石鎚神社を支配することとなり、その結果、表向きは古事記の神の石鎚比古を祀るものの、実は信仰の対象は従来通り石鎚山権現であり、今でも神社内で護摩を焚き、大般若教や光明真言を唱え、信者たちは「ナンマイダーボ(南無阿弥陀仏)」と念仏を唱え、旧来の信仰形態を維持しています。

http://www.nicovideo.jp/watch/sm35497586