【神道シリーズ】第72回・八百万の神・英彦山大権現【中編】オホシサマ(如来宝珠)と顕密寺社

【神道シリーズ】第72回・八百万の神・英彦山大権現【中編】オホシサマ(如来宝珠)と顕密寺社

今回は、英彦山信仰の中核となってる①三所権現の三元構造(俗躰・女躰・法躰)②オホシサマ(如意宝珠)とそれに纏わる祭祀(二季祭・延年など)についてお話をして行こうと思います。「三所権現」形式(三所権現・二所権現・四所権現・十二社権現などの変化形あり)を全国の天台修験に広めたのは聖護院門跡(天台宗・寺門派<三井寺派>)ですが、その三所権現は実は、俗躰(陽=男=金剛界)と女躰(陰=女=胎蔵界)で、俗と女が一体化することは、真言宗の両部神道の言うところの、金胎合致(金剛界と胎蔵界の一体化)による即身成仏(大日如来との一体化)を意味するのですが、聖護院門跡の解釈では一体化したのちに阿弥陀如来に集約されていく、という見方があります。英彦山もこの三元構造が信仰の基本にあります。さらに、英彦山(霊仙寺)の中興の祖と言われた法蓮が般若窟で12年間の修行の末得たとされる如意宝珠も英彦山信仰の中核にあり、これがさまざまな祭祀(オホシサマ祭、二季祭、延年<直会(なおらい)>)などにも反映されて行きます。こうした祭祀は今日でも北九州広域で続いています。

http://www.nicovideo.jp/watch/sm35877584