【神道シリーズ】第86回・八百万の神㉛葉山大権現(今でも薬師如来を本尊として祀る葉山神社<旧・天台大円院>)

【神道シリーズ】第86回・八百万の神㉛葉山大権現(今でも薬師如来を本尊として祀る葉山神社<旧・天台大円院>)

山形県の葉山はちょうど現在「出羽三山」と呼ばれる羽黒山・月山・湯殿山のすぐ東隣りに位置し(月山・湯殿山のすぐ隣)、かつては羽黒山・月山とともに出羽三山の一つに数えられていましたが、江戸時代以降、湯殿山に真言宗が進出して湯殿山信仰を確立すると今の三山形式になりました。それまでは現出羽三山に匹敵する山岳信仰があったとされています。葉山信仰は天台宗の葉山大円院とともにあり、葉山信仰=天台葉山大円院と言っても過言でないほどですが、江戸後期頃には次第に月山信仰に吸収されて衰退し、明治維新の神仏分離令により葉山神社(明治に新設)に強制改装されて今日に至っています。しかし、普通明治に信仰の中心であった寺院が破壊されて神社化させれる時、縁も所縁もない古事記の神々が祀られる事がほとんどの中、今でも葉山神社では本尊として薬師尿来が祀られていることからしても明治の神社神道化(国家神道化)の失敗例だとも言えるでしょう。

http://www.nicovideo.jp/watch/sm36524531