日本書紀「キジの尾の形に似た赤気が天に」はオーロラ

日本書紀「キジの尾の形に似た赤気が天に」はオーロラ

2020年3月24日 5時56分日本書紀にある、国内最古の天文の記録とされている記述はオーロラを記したものだとする分析を、国立極地研究所などの研究グループが公表しました。日本書紀は1300年前に編さんされた日本の歴史書で、飛鳥時代だった西暦620年12月に「キジの尾の形に似た赤気(あかきしるし)が天に現れた」という趣旨の記述があり、「オーロラ」や「すい星」を記した日本最古の天文の記録ではないかとされてきました。国立極地研究所と国文学研究資料館などの研究グループは、飛鳥時代の頃の地球の地磁気を推定すると、近畿地方でもオーロラが見える可能性が高かったことが分かったほか、江戸時代の資料で、オーロラが赤みを帯びて扇形に見えたという記録が残されていたということです。こうしたことから研究グループは、日本書紀の記述は当時の都があった奈良周辺で観測された扇形のオーロラを、キジが尾を広げた時の形に例えて記したものだという分析を公表しました。こうした記述は同じ時期の別の記録と照合することで詳細な内容が判明することが多いということですが、この部分については中国の文書も含めてほかの記録がなく、詳細は謎だったということです。国立極地研究所の片岡龍峰准教授は「当時の人もオーロラに驚いたのだと思う。キジに例えた人々の感性も興味深い」と話していました。

http://www.nicovideo.jp/watch/sm36562283