【神道シリーズ】第91回・八百万の神㊱その他の山岳信仰(4)霧島山・久住山・牛尾山・開聞岳・硫黄岳

【神道シリーズ】第91回・八百万の神㊱その他の山岳信仰(4)霧島山・久住山・牛尾山・開聞岳・硫黄岳

今回は、九州でまだ解説してない霧島山(きりしまさん)・久住山(くじゅうさん)・牛尾山(うしおやま)・開聞岳(かいもんだけ)・硫黄岳を紹介します。霧島山は、天暦(てんりゃく)年間(847~752)に証空の開基を伝え、そののち、霧島六社をもって霧島六社権現として発展し、明治前まではその各社とも、天台・真言の別当寺を持っていたが、明治政府により強制廃絶され、江戸時代以降に国学の影響でヤマトタケルが祀られた霧島神社のみが残っています。牛尾山は、信仰の中心は法厳寺(単立の本山修験宗。本尊は十一面千手観音)が中心で、牛尾神社は:延暦11年(792)、出雲大社より勧請創建された古社で、もと八王子大明神といい牛頭天王を併せ祀り、地元では「天王さん」と親しまれており、現在でも修験道が盛んです。久住山(九重山)は、文明2(1470)年、英彦山より養順法印(天台宗)が入山し、修験道場を建立、法華院白水寺と呼ばれるようになり、英彦山信仰に吸収されていきました。開聞岳は、信仰の中心は別当寺の普門寺(真言宗)であったが、明治の神仏分離令の際に破壊されましたが、現在でも岩屋や石祠(せきし)などから、かつては当山派修験の名残が窺われます。硫黄岳は、山麓に、蔵王権現と熊野権現を祀り、熊野権現は、この島に島流しになった僧・俊寛(真言宗)らの勧請と伝えられています。

http://www.nicovideo.jp/watch/sm36755976