【スウィートホーム】#10琴葉姉妹が呪われた屋敷からの脱出に挑戦するようです

【スウィートホーム】#10琴葉姉妹が呪われた屋敷からの脱出に挑戦するようです

sm36905910   mylist/68236991  次  sm36942832 琴葉葵はカラオケ屋でアルバイトをしていたことがある。受付をして部屋へ案内し注文が入れば簡単な調理をして部屋へ運ぶ。お客さんが帰れば掃除をして暇なときにはマイクなどの機材の掃除をした。週末は忙しかったがそれ以外は時間を持て余すくらい適度に暇で楽な仕事だった。給料も悪くなかったし人間関係も良好だったのだが葵は長続きせずに辞めてしまった。周りからは引き止められたが葵は断固として意思を曲げなかった。決意をして辞職したのだ。「葵あそこやめたんかー。身内割引きで助かってたんやけどなぁ」茜が心底残念そうに言ったが葵は曖昧に笑ってごまかした。辞めた理由は誰にも言わなかった。なぜなら信じてもらえないと思ったからだ。そう。あの店は『出る』のだ。部屋で片付けをしていると扉のガラスの向こうを誰もいないはずなのに白い影が通る。消したはずのモニターがなぜかまた付いている。極めつけは閉店後の誰もいないはずの店内から聞こえてくる物音だった。すべての電源を落とし有線も止めてしまうと広々とした店内は恐ろしいくらいの静寂に包まれる。だが物音が聞こえてくる。あとは鍵を閉めて帰るだけだというのに何かが聞こえてくるのだ。一階の一番奥にあるトイレ、そこから何かが聞こえてくる。もし不審者なら通報しなければいけないがそもそも誰かがいるはずがないのだ。店への出入りはすべて確認しているしトイレの窓ははめ込みで開かない。受付にいる葵に気付かれずに通り過ぎることなど不可能だ。もしかしたら掃除用具が倒れた音かもしれない。葵は懐中電灯を持って確認しに行った。頼りない光源で照らしてみる。だが何もない。女子トイレはすべて扉が閉じられ何もおかしなところはなかった。葵はゆっくりと息を吐いて踵を返す。何もないじゃないか。葵は安堵し店を出て鍵をかけて家に帰った。変なことがあったことなど忘れてゆっくりとお風呂に浸かっている時にふと思い出した。私はトイレの掃除をした時に扉をすべて開けなかったか。確かに開けた覚えがある。温かい湯船につかっているのに鳥肌が立った。誰かが、『何か』が扉を閉めたのだ。あの場に『何か』がいたのだ。もし扉を開けていたら葵は何を見たのだろうか。そう思うと葵は限界だった。それが葵がアルバイトを辞めた理由だ。葵ちゃんは深夜に働ける年齢ではないので忘れてください。

http://www.nicovideo.jp/watch/sm36922816