☆台湾の民主化に尽力 李登輝元総統が死去

☆台湾の民主化に尽力 李登輝元総統が死去

2020年7月30日 21時24分台湾で初めての直接投票による総統選挙を実現させるなど民主化に尽力し、親日家として知られる李登輝元総統が、日本時間の30日午後8時すぎ、入院先の台北市内の病院で亡くなりました。97歳でした。李登輝元総統は1923年、日本の統治下にあった台湾で生まれました。今の京都大学農学部に入学し、太平洋戦争中に旧日本陸軍に入隊して、日本で終戦を迎えました。台湾に戻り研究者として活動したあと政治家に転身し、1988年、当時の蒋経国総統の死去に伴って、台湾出身者として初めて総統に就任しました。在任中は議会制度の改革など民主化を推し進めたほか、台湾の国際社会での存在感を高めようと積極的な外交を展開し、アメリカも非公式に初めて訪問しました。そして1996年には住民の直接投票による初めての総統選挙を実現させ、当選しました。李元総統のこうした動きに対して中国は「台湾独立の動きだ」として強く非難し、台湾近海でのミサイル演習など武力による威嚇を繰り返したため、アメリカは空母を派遣し、台湾海峡の緊張は一気に高まりました。李元総統は親日家として知られ、2000年に総統を退任したあとは、病気の治療や文化交流を目的に日本をたびたび訪問し、各地で講演などを行っています。ここ数年は、主に台北にある自宅で政界関係者と面会するなどしていましたが、ことし2月、体調を崩したため自宅から病院に搬送され、その後入院を続けてきました。李元総統が入院していた病院によりますと、日本時間の30日午後8時20分すぎ、亡くなったということです。97歳でした。

http://www.nicovideo.jp/watch/sm37273427