諫早湾干拓問題ラジオAIネット第61回「諫早湾干拓と地元・森山町」ゲスト:村山茂樹さん(元森山町教育委員会学芸員)

諫早湾干拓問題ラジオAIネット第61回「諫早湾干拓と地元・森山町」ゲスト:村山茂樹さん(元森山町教育委員会学芸員)

諫早湾干拓問題の動向や関連した話題をお伝えする、ラジオAIネット(AI:有明・諫早)。2020年7月26日に放送した第61回では、元森山町教育委員会学芸員の村山茂樹さんにゲストとしてご出演いただきました。長崎県北高来郡森山町(合併して現在は諫早市)と諫早市の小野地区は、諫早湾干拓の後背地として干拓事業の推進を求める農家が多い地域でした。いずれも江戸時代から干拓が少しずつ行われてきた場所ですが、島原半島の付け根の地峡部のため水が乏しく、昔から干拓地の水田は水路網に水を貯め込む構造になっていました。そのために大雨が降ると湛水被害が起きやすいという構造的な問題を抱えていたのです。昭和になってからの森山町の干拓も農業用水を十分に確保しないまま勧められ、その後も国や県は導水や排水の整備を怠ってきたことから、森山町の農家は、諫早湾干拓による調整池の淡水化や排水の向上といった、干拓を拡大した先にあるインフラに頼らざるを得ない状況に追い込まれていたのです。村山さんは、森山・小野の農民も、小長井の漁民も、諫早湾干拓事業のための「人質」に取られた人たちであり、「おかず」よりも「ご飯」を優先する日本の行政が、漁業者と農業者の対立という構図を作り上げ、海の環境破壊を生んできたと語ります。この人質や対立の構図は、新干拓地の入植農家と有明海の漁業者の間での開門問題においても、変わることなく続いているようです。地元の「人質」を救い出さない限り、この問題は解決しないというのが、村山さんのご意見でした。詳細はぜひ番組をお聴きください。  mylist/48084459

http://www.nicovideo.jp/watch/sm37348484