桜花之恋塚をアレンジしてリコーダーで吹いてみたあああああああああああああああああああああああ

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書き下ろしショートストーリーとイラストつき!◆◆◆「早起きじゃない、おはよう。……眠そうね? 今年も桜が今か今かと咲こうとしているわ」「おはよう。……嫌な夢を見たのよ。むせ返るような闇夜の桜の花に包まれて、次第に生も死も、なにも”分から”なくなってしまう、そんな夢を」「妖怪らしくて良いじゃないの。手本にしたら?」 かはたれ時もやや過ぎた初春の日に、眼を擦った少女は顔を出した。 光も未だ届かぬ、墨に染まったような枯れ樹の下には、すでに枕花の少女がまあるい傘を手にして待っていた。 煤けた色のまだらの雪は更けの名残か。焼けた荻原は明けの兆しか。「春が来ると、いつもあの子のことを思い出すのよ。一体、何人の命を奪えば気が済むのかしら、罪に染まった桜は」「桜に罪があるものか。いくら桜が美しかろうと、ただ咲いているだけ。この場所に身を埋めさせようとするのは、人の心なのよ」 あけぼの、ほんの僅かな時間だけ東雲色に染まった大空に、紫雲がゆらりと垂れている。氷も解け、苔むした岩の隙間に流れる川が進むべき通り道を探しているようだ。 まだ冷たい一陣の風がひゅるりと木の枝の間を通り抜ける。半ばほど山際より顔を出した朝日の光を反射して輝ける長い髪が揺れて、一抹の陰を作り出した。 幽かな花の香りを纏わせた彼女がこぼす句には、「夜間散りし さくらも今朝は 色染めり」 一つ、二つの呼吸のほどののちに、背を向けた彼女が岩の隙間に向けて返した句には、「苔の下にや 君とどまらむ」 それを聞いて、やや苦笑いをする。一丁前の化生のくせに、まるで母とはぐれた迷い子のようだ。——あの子が愛した花を憎んでいたら、あの子も悲しむんじゃない? 暖かな気が立ち昇ったのは、花の少女の悪戯か、優しさか。 夢現に惑う胡蝶の少女の鼻をくすぐる甘い香り。 霊が宿れば花が咲き、 再び去れば花が散る。 憂いて道に迷う理由はどこにあろうか。 一つ二つの新芽が出て、土竜も蝶も歌い出すこの暖かな日に。 顔を上げる。もう朝日は山際より飛び立って、大地に遍く新たな命を照らしつつある。 今年もまた、春の足音が帰ってくる。

http://www.nicovideo.jp/watch/sm37349361