【超伝導ドメインエンジニアリング】Nature Communications:ネマティック超伝導の配向パターンの制御に成功【セルフ論文紹介】【固体量子】【VRアカデミア】

【超伝導ドメインエンジニアリング】Nature Communications:ネマティック超伝導の配向パターンの制御に成功【セルフ論文紹介】【固体量子】【VRアカデミア】

今回紹介する論文情報Ivan Kostylev et al., Nature Communications 11, 4152(2020). (無料) https://doi.org/10.1038/s41467-020-17913-y セルフ論文解説第14弾!一方向からおすことでネマティック超伝導の配向パターンの制御に成功しました日常使われている液晶ディスプレイでは、棒状の液晶分子の向きが一方向に配向した「ネマティック液晶」が用いられ、電圧でこの配向パターンが制御されて光の透過性が変えられています。さて、超伝導の世界では、液晶に似た「ネマティック超伝導」が最近見つかりました。超伝導は低温で電気抵抗がゼロになる現象で、伝導電子が結合し多数のペアを作ることで起こります。この結合が特定の方向で強くなるようにペアたちが配向したのがネマティック超伝導です。では、この配向した電子ペアを制御し利用していくことは可能でしょうか。私たちは、ネマティック超伝導体を一方向に圧縮することで電子ペアの配向パターンを制御できることを発見しました。具体的には、ビスマス-セレン系超伝導体への圧縮力の印加・開放によって、特定の配向方向を持つ領域(ドメイン)が試料内に複数共存している状態とほぼ単一のドメインしかない状態との間を可逆的に移行できました。このような超伝導の制御は超伝導の100年超の研究の中でも前例がなく、「超伝導ドメインエンジニアリング」ともいうべき基礎・応用両面での新たな研究発展が期待できます。Editors’ Highlights on condensed-matter physicsに選ばれた論文です次: sm37543170 前: sm37434909

http://www.nicovideo.jp/watch/sm37507442