【聖戦の系譜】#22琴葉姉妹が聖戦に巻き込まれるようです。【ファイアーエムブレム】

【聖戦の系譜】#22琴葉姉妹が聖戦に巻き込まれるようです。【ファイアーエムブレム】

sm37740329   mylist/68640421  次  sm37747710 琴葉葵は深くフードを被ってザクソンの裏路地を急ぎ足で進む。時折素早く角を曲がり後をつけられていないか確認した。そうして何度か安全を見極め用心深くとある建物に入った。中は埃っぽく薄暗い。葵が扉を閉めると待っていたように中にいた人物が手を挙げた。「よう妹ちゃん」「遅かったね葵。道に迷ったのかとおいら心配しちゃったよ」傭兵ベオウルフと盗賊の少年デューだ。葵は時間に遅れたことを謝りながら懐から一枚の紙を机の上に取り出した。それを二人は覗き込む。紙にはとある人物のプロフィールが書かれている。グランベルから派遣された役人で成り行きで従軍している者だ。「こいつが内通者ってわけか」「うん。デューくんに調べてもらってたんだけど黒だった。オイフェと相談して流した欺瞞情報がグランベルに筒抜けだったからね」ちょっと確証を得るまで時間がかかっちゃった、と葵は言った。「おいらこいつが変な黒ローブの連中と会ってるとこばっちり見てるからね。エバンスからの付き合いだから安心してたけどすっかり騙されちゃってたね」「で、こいつをやればいいのかい? いつも通り」ベオウルフが腰の剣の柄を撫でる。愛用の剣とは違うグランベルでよく使われるありふれた鋼の剣だ。「うん。何度も頼んで悪いけどおねがい」「殺し屋みたいなことは性に合わないんだがな。ま、嬢ちゃんの頼みだからな。疑うことを知らない我らがボスのために一肌脱ぐとするぜ」そう言ってベオウルフは紙を蝋燭の火で燃やした。今彼の頭の中では標的をどう処理するか段取りを組んでいるところだろう。葵は鞄からずっしりと重い革袋を取り出した。「5万ゴールド。今回の報酬」机に置くとベオウルフが手を伸ばした。だがその手は金ではなく葵の頭の上に乗せられる。「今さら金なんて水臭いぜ。俺たちは一蓮托生、だろ?」「えっ、でも……」「戦場の根無し草も気を絆されちまったってことさ。報酬はこの戦争の勝利、ってところでどうだ?」「ベオウルフはかっこつけなんだから」デューがあきれたように言った。なんて話はないので忘れてください。

http://www.nicovideo.jp/watch/sm37743816