【聖戦の系譜】#24琴葉姉妹が聖戦に巻き込まれるようです。【ファイアーエムブレム】

【聖戦の系譜】#24琴葉姉妹が聖戦に巻き込まれるようです。【ファイアーエムブレム】

sm37747710   mylist/68640421  次  sm37760519 琴葉姉妹は隊商に交じって砂漠を歩いていた。照り付ける日差しと時折強く吹き付ける砂混じりの風に辟易しながらもその足取りは軽い。同行しているグランベルへ向かうキャラバンの人から話を聞けたのだ。曰くシグルド軍は無事フィノーラを制圧しそのままの勢いで砂漠を抜けたと。彼らの無事の知らせほど二人の背を押すものはないだろう。しかし逸る気持ちに水を差すように一行は休憩することになった。小山ほどもある大岩の陰で荷物を降ろして砂の上に座り込むとこれまでの疲労が足に押し寄せくる。ふくらはぎを揉みながらふと茜が隣を見ると顔を隠すようにターバンを巻いた男たちが目に入った。茜たちと同様にキャラバンに同行している者だ。商人ではない。武装しているようには見えないが茜には彼らがただ者ではないことがわかった。おそらくそれなりのレベルに達している魔道士。懐に魔道書でも隠しているのだろう。なんとなく気になって茜はそのうちの一人に声をかけた。「こんなご時世に大変やな。皆さんはどちらに行くつもりなん?」話しかけられた男は明らかに警戒した様子で懐に手を差しこんでいる。たとえ男が魔道書を取り出したとしても魔法を唱え切る前に茜はその口の中に剣を突き込むことができるだろう。下手なことをして争いになったら面倒ではあるが、もし彼らがシグルドの敵であるならばここで消しておく必要があるかもしれない。彼らの挙動は怪しすぎた。だがその一触即発の事態を抑えるように別の男が前に出てきた。「どうも申し訳ありません。うちの者が失礼を。私どもは南に向かうつもりです。トラキア半島へ」盲目なのか瞼を閉じたままの壮年だ。柔和な笑みを浮かべて頭を下げられると茜もそれ以上何もできなくなる。「南で戦争があったと聞きましてその戦場へ用事が……あまり風聞のよくないことなのでどうかここだけの話に……」よくわかっていない茜の脇腹のあたりがつつかれる。「たぶん戦争で放置された武器とか鎧を拾いに行くんだよ。南であった戦いというのがどんなものかはわからないけど」「なんや落ち武者狩りみたいなもんか」眉根を寄せて茜はため息を吐くと彼らから離れたところに座りなおした。彼らの話し声が風に乗ってくるがすでに茜に興味はない。葵との時間のほうが大事なのだ。「ベルド様……しかし顔を見られたからには……!」「控えろ馬鹿者、大司教様から絶対に目立つなと念を押されたのを忘れたか。息子のお主がその体たらくゆえ大司教様のはお主にお叱りを与えておるのだ。一つ留め具を掛け違えただけで何十年来の計画が頓挫するのだ。わかっておるのか……」琴葉姉妹がフィノーラで一泊した翌日、彼らはもうどこにもいなかった。というすれ違いはなかったと思うので忘れてください。

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