【聖戦の系譜】#30琴葉姉妹が聖戦に巻き込まれるようです。【ファイアーエムブレム】

【聖戦の系譜】#30琴葉姉妹が聖戦に巻き込まれるようです。【ファイアーエムブレム】

sm37818037   mylist/68640421  次 sm37851028 イザークでは帝国の兵士が気まぐれに村から略奪を繰り返していた。その姿は蛮族以外の何ものでもない。それを目にしてラクチェは物陰に隠れて唇を噛んでいた。「私にもっと力があれば……」「駄目よラクチェ、私たちが動いたらセリス様に迷惑がかかっちゃう。まだ戦えるほどの準備はできてないんだから」ラクチェの袖をつかみながら黒髪の少女マナが言った。ラクチェも頭ではわかっている。帝国から人々を救うためには目の前の人々を見捨てなくてはいけないと。「だけど……ッ! もう見てられないッ!」そう言ってラクチェは剣を握って飛び出した。ラクチェは強かった。正規兵相手に大立ち回りをし何人も切り捨てた。だがそれも長くは続かなかった。悲鳴が聞こえて振り返るとマナが兵士に掴み上げられていた。その首には斧が当てられている。「武器を捨てな」ラクチェは己の迂闊さを呪った。剣を投げ捨てるとすぐに兵士に押さえつけられる。マナの言う通り戦うべきではなかったのだ。力を付けるまで逃げることが正解だったのだ。兵士の下卑た目つきを射殺さんばかりににらみつける。だがそこに翡翠色の輝きが飛び込んできた。直後兵士たちが一斉に倒れる。この輝きは見覚えがある。流星剣だ。光を追うと長い黒髪が重力に引かれゆっくりと落ちるところだった。「シャナン様ッ!」「ラクチェ、マナ、無事か」納刀しながらシャナンが振り返る。怖かったのだろうマナがラクチェに抱き着いてきた。ラクチェが安心してシャナンに礼を言おうと顔を上げると、そのシャナンの背後に斧を振り上げる兵士が見えた。どこかに隠れて隙を窺っていたのだ。シャナンはまだ気付いていない。「シャナン様ッ! 後ろ……!」しかしその言葉は届かなかった。遮ったのは桃色の髪と黒いワンピース、そして振るった剣の残像だ。あまりの速度に剣を抜く瞬間が見えなかった。「安心してな。みね打ちや」シャナンとラクチェの目の前で兵士は崩れ落ちた。この少女は誰だろうか。ラクチェがそう考えているとシャナンが何かを呟いた。その表情は今にも泣きそうでラクチェは今まで見たことがない。「アカネ……なのか?」「おん? どっかで会ったことあったっけか。すまん、ずっと寝てたからよく覚えとらんわ」「アカネ、私だ。ううん、ぼくだよ、シャナンだよ……!」という前日譚はなかったと思うので忘れてください。

http://www.nicovideo.jp/watch/sm37832956