重症化を防ぐ治療薬の可能性 優秀なタンパク質とは

重症化を防ぐ治療薬の可能性 優秀なタンパク質とは

今週、新型コロナの治療薬となる可能性がある“特殊なタンパク質”を開発したと、京都府立医科大学の星野温助教などの研究チームが発表しました。s星野助教によるとこのタンパク質は、「ウイルスの変異にも対応できる」優秀なものなんだそうです。どういうことでしょうか、まずはおさらいです。そもそも新型コロナウイルスは、とげとげの「スパイク」が、「受容体」という部分にくっつくことで感染し、細胞の力を借りて体内で増えます。ウイルスが沢山増えると、重症化につながります。そこで今回注目したのは、「受容体」。なんと星野助教らは「受容体のそっくりさん」を作っちゃったんです。では、「そっくりさん」は、いったいどんな働きをしてくれるのか。「そっくりさん」は、体こそ受容体にそっくりですが、顔は超美形でとても魅力的なんです。ですから、コロナウイルスが「受容体」よりも先に超美形・魅力的な「そっくりさん」とくっついてしまいます。その“くっつく力”は、なんと受容体の100倍以上。「受容体」は振られてしまって、ちょっとかわいそうですけど体にとっては、すごく良いことなんです。「受容体」とウイルスがくっつかなければ感染が広がることもなく、重症化を防げるんです。そして、「そっくりさん」のすごさはこれだけではありません。以前お伝えしたように、ウイルスのスパイクとくっついて感染を防ぐ能力は「抗体」にもありますよね。でも抗体はコロナウイルスのスパイクと“ぴったり”くっつくように作られた「オーダーメイド」ですからウイルスの変異で、万が一スパイクの形が変わってしまうとうまくくっつくことができなくなってしまうんです。ところが「そっくりさん」は、「見た目が変わっても気にしないぜ!」と何しろ受容体にそっくりなので、スパイクの形が変わったウイルスでも、しっかりと受け止めてくれるそうです。まさに包容力バツグン!このように、変異にも対応できるので、一度開発されると長く使えるそうです。となれば、気になるのは、いつ薬として実用化されるかですが、星野助教は、「来年度には臨床試験を始めたい」とおっしゃっていて、効果と安全性が確認され次第、製薬会社と協力して「1日でも早い実用化を目指す」としています。

http://www.nicovideo.jp/watch/sm37854739