【聖戦の系譜】#34琴葉姉妹が聖戦に巻き込まれるようです。【ファイアーエムブレム】

【聖戦の系譜】#34琴葉姉妹が聖戦に巻き込まれるようです。【ファイアーエムブレム】

sm37890795   mylist/68640421  次 sm37924247 「ちょ、ちょっとまって、作ったってこの魔道書を? お前が?」琴葉茜は差し出された分厚い魔道書に恐る恐る触れながら言った。地槍ゲイボルグ、聖弓イチイバル、風魔法フォルセティ、そして聖剣ティルフィング。かつて間近で見たことがある神器と同じ雰囲気を放っている。これをレヴィンが作ったというのか。茜の記憶にあるレヴィンなら飄々として気の利いた洒落でも言っておどけるところだろう。だが目の前の男は冗談を言っている様子もなく、かといって鼻にかけている様子もない。できるからやった、ただそれだけといった表情でしかなかった。「いきなりだったから驚いちゃったけど……ありがとうレヴィンさん」考え込む茜の横で葵が頭を下げた。そうだ。元の世界へ帰る手段ができたのだ。こんな戦争ばかりしている世界からなんてさっさとおさらばしてしまった方がいい。喜ぶところなのだ。この戦いが続けば自分はともかく、また葵を危ない目に合わせるかもしれない。それだけは嫌だ。それなのに。「……葵」茜が窺うように葵を見ると、葵はまるで分っていたように微笑んだ。「私はお姉ちゃんと同じ気持ちだよ」わかっているのだ。こんなところで投げ出すことなんてできないと。「ありがとなレヴィン。でもうちらはまだ帰らんで。あいつらの戦いが終わるまでは一緒に見届けてやる。そう決めたんや」茜がそう言い切ると葵も力強く頷いた。「そうか。どちらにしろすぐには帰ることはできないのだ。ゆっくりと支度と心の準備だけはしておくといい」レヴィンが魔道書をしまう。「どういう意味や?」話は終わりだというようにレヴィンは立ち上がり扉へ向かう。「この魔法の発動には大量のエーギルが必要なのだ。大きな戦争が始まって終わるくらいのエーギルだ。神器同士がぶつかり合うような大きな戦争のな……」聞こえなかったか? エーギルが足りないと言ったのだ。という茜ちゃんはいないので忘れてください。

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