宇宙行きのヘリコプター! 幻の宇宙往還機「ロトン」

宇宙行きのヘリコプター! 幻の宇宙往還機「ロトン」

https://www.youtube.com/watch?v=DBL_UJyN88Y1990 年代から2000年代初頭にかけて、単独で宇宙と地上を往復できて100%再使用が可能な「単段宇宙往還機(SSTO)」こそが究極の宇宙機であり、SSTOを完成させた者こそが次の時代の宇宙ビジネスを制すると信じられていた時代がありました。当時は国家機関・民間企業問わず多くの団体がSSTOの研究開発に挑み、 …その全てが儚く散っていったのです。この「ロトン」もこうして消えていったSSTO候補の一つです。ロトンはロータリー・ロケット社が開発した単段有人ロケットです。ロータリー・ロケットとはロトンのために開発された独特な燃焼サイクルの仕組みでもあります。全高19.2mの円錐形の機体の底面に大気圏再突入用の熱シールドを兼ねたターンテーブルがあり、ターンテーブルの端にある多数のノズルに点火することで上昇するとともにターンテーブルを回転させ、遠心力によりポンプを使わずに各ノズルに推進剤を送り込めるという当時としては画期的なシステムでした。推進剤は液体酸素とケロシン。二人の宇宙飛行士を乗せ、低軌道に3180kgのペイロードを輸送可能。帰還方法は大気圏再突入後、収納されていたチップジェット(ローター先端からガスを噴射して回転させる)方式のローターを展開してヘリコプターのように飛行、垂直に着陸するという一風変わった方式でした。各界から多額の資金を集めて1998年に開発開始、1999年に実物代モデルが完成したのですが、それは高度23mまでしか飛行のできないただの円錐形のヘリコプターでした。その後は開発に全く進展がなく2001年に資金繰り悪化により開発は終了してしまいました。

http://www.nicovideo.jp/watch/sm37971281