【小酒井不木 傑作選】少年科学探偵(3)~髭の謎

【小酒井不木 傑作選】少年科学探偵(3)~髭の謎

博士の死それは寒い寒い一月十七日の朝のことです。四五日前に、近年にない大雪が降ってから、毎日曇り空が続き、今日もまた、ちらちら白いものが降っております。塚原俊夫君と私とは、朝飯をすましてから、事務室兼実験室で、暖炉を囲んで色々の話をしておりました。と、十時頃、入口のドアを叩く音がしましたので、私が開けてみると、二十歳ばかりの美しいお嬢さんが、腫れあがった瞼をして心配そうな様子で立っておりました。「塚原俊夫さんはお見えになりますか?」とお嬢さんは小さい名刺を私に渡しました。「お願いがあって来ましたとおっしゃってください」俊夫君は私の渡した名刺を見て、「さあ、どうぞお入りください」と言いました。その名刺には「遠藤雪子」と書かれてありました。やがてお嬢さんは俊夫君とテーブルに向かいあって腰かけました。「ご承知かもしれませんが、私が遠藤信一の娘でございます」「ああ、遠藤先生のお嬢さんですか、先生は相変わらずご研究でございますか?」と俊夫君は言いました。令嬢は急に悲しそうな顔になって、「実は父が昨晩亡くなったのでございます」……★文字起こし:  http://urban-legend.tsuvasa.com/shonenkagakutantei-higenonazo

http://www.nicovideo.jp/watch/sm37994579