【聖戦の系譜】#37琴葉姉妹が聖戦に巻き込まれるようです。【ファイアーエムブレム】

【聖戦の系譜】#37琴葉姉妹が聖戦に巻き込まれるようです。【ファイアーエムブレム】

sm37978861   mylist/68640421  次 sm38016634 琴葉姉妹は懐かしい顔を見つけた。「フィン!」「フィン君!」かつてキュアンに仕えていた騎士見習いは年月を経て歴戦の兵に姿を変えていた。以前から生真面目でほとんど笑うことがなかった彼だが今では表情の動かし方を忘れてしまったようにも見えた。「お久しぶりです」そう言った彼の後ろに金髪の女性がいたことに葵は気が付いた。一瞬ラケシスが戻って来たのかと目を見張ったが彼女とは別人だった。見た目が全く違う。長い金色の髪は緩やかなウェーブがかかっていてフィンと同じくらいの年齢くらいに見えた。落ち着いた雰囲気の女性剣士だ。控えめに言って美人だった。どこかで会ったことがある気がしたが剣士の知り合いに金髪はいない。「おん? なんやフィン取り込み中やったか」「いえ、お気になさらず。彼女は私とリーフ様がお世話になった方です」そういってエーヴェルという女性を紹介してくれた。各地を転々としながらフィアナ村というところで戦い始めたこと。帝国に捕まってマンスターに囚われていたこと。その話の途中で茜が首をかしげながら言った。「なーんか知り合いに似とるんよな。実は剣より弓の方が得意やったりせん?」フィンが目を閉じてゆっくり首を振った。「彼女には昔の記憶がないのです。自分の役目は終わったとこれからフィアナ村へ帰るので別れるところだったのです」「記憶喪失……」葵はエーヴェルの顔が嘘をついているようには見えなかったし、もし彼女が自分の知っているあの人であるならこんな嘘なんてつく理由がない。「……あの子たちに会わなくていいんですか」葵は自然とそう口にしていた。エーヴェルは一瞬目を見開いたがすぐに優しい表情に変わった。「もう私の役目は終わったのです。それにきっとこの戦いが終わる頃にはすべてを思い出せるような気がするのです。そうしたらきっと私からあの子たちに会いに行きたくなるでしょう」そう言って彼女は去って行った。その後ろ姿が見えなくなるまで三人はずっと立ち尽くしていた。「なあフィン、この後予定ないなら飲みに行かん? こういう時は飲むに限るで!」茜が体を伸ばしながら言った。「そうだね。私もフィン君の積もる話聞きたいなぁ」「いえ、私は……」フィンは遠慮するように手をあげかけたが二人の満面の笑みに屈した。「……わかりました」三人は顔が真っ赤になるまで飲み、探しに来たオイフェも巻き込んで朝まで酒場は騒がしかったという。という一幕はなかったと思うので忘れてください。

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