某有名バンドの

某有名バンドの

ライブ盤を除くと通算五つ目に当たるアルバム。このバンドの最高傑作といえばこれの一つ前のスタジオ録音盤というのが衆目の一致するところだろうし、別に異議を唱えるつもりもないが、このアルバムが等閑視気味なのは納得がいかない。まあ、それはともかくとして、日本のロックの決まり文句を能う限り拒否しようとする捩れまくった不条理かつ不埒な歌詞は攻撃性を増し、曲やアレンジは従来よりもタテノリ重視で簡素化され(もちろん、いわゆるビートパンクが流行していた当時のマーケット事情と無関係ではないだろう)、バンド史上最もパンキッシュな作品に仕上がっている。発売当時は「人気社交場」や「笑う鼻」が国内のパンクバンドの代表格とされていたが、クリシェに塗れていたその二組(や同種のバンド)よりも、このアルバムの方がよっぽどパンクだね。というわけで、中学生の頃に愛聴していました。一曲目は初期のDevoとXTCを合成した様な趣向で、六曲目はこのバンドには珍しいインスト小品。後者は収録曲の頭数を揃えるためのやっつけ仕事という感もなくはないが、No WaveのバンドやP-Modelの『Perspective II』のインストを彷彿させるタイプの曲で悪くない。

http://www.nicovideo.jp/watch/sm38276433