原発に翻弄された町が・・・世界最大級「水素タウン」に

原発に翻弄された町が・・・世界最大級「水素タウン」に

福島第一原発から8キロ。海のそばには6万8000枚もの太陽光パネルが敷き詰められています。 東京ドーム5個分の敷地に建設された福島水素エネルギー研究フィールド。 「次世代のクリーンエネルギー」として注目を集める水素。去年、浪江町に世界最大級の製造プラントが誕生しました。 かつて、この場所では原子力発電所の建設計画が進んでいました。原発によって周辺の自治体が豊かになっていく姿を目の当たりにするなか、住民は賛成派と反対派に分断された過去があったといいます。 そして10年前、町を襲った原発事故。浪江では80%が今も帰還困難区域のままで、人口は震災前の8%にも満たない状態です。 浪江町に住む人:「原発が我々は10年間も苦しんだり、私は帰れたからいいけど、(帰って)来ない人が大半ですよね」 人々が集まり、再び活気ある町を取り戻したい。浪江町では地球温暖化の原因となる二酸化炭素の排出を減らし、「水素」による町づくりが進められています。 では、水素はどのように作られるのでしょうか。太陽の光を電気に変え、水槽に貯めた水を分解。その時に水素と酸素が発生します。1日に作られる水素は150世帯の1カ月分の電力にも相当し、ためたりトレーラーなどで運ぶことができるのが特徴です。 浪江産の水素は実際に町のなかで使われています。 道の駅なみえ広報・山崎篤只さん:「水素ターミナルから燃料が運ばれてきて、道の駅に設置されております。後ろにある機械で発電をしている」 こちらの道の駅では館内の照明や水を温める時に水素を使ってできた電力を活用しています。 青森から来た人:「水素を利用してというのは、すごく良いと思う。自分は青森から来て、六ケ所村とかあるんですが、(ここは)色々な取り組みがあるので素晴らしいことだと思う」 将来的には路線バスに使ったり、産業団地にも供給する計画で水素の「地産地消」を目指しています。 浪江町産業振興課・小林直樹係長:「エネルギーという文脈で魅力的な街づくりをしていきたい。水素というものをしっかりと使いながら、世界に誇れるようなエネルギー都市にしてきたい」 原発に翻弄された町を世界が誇るクリーンエネルギーの町にする。もう一度“笑顔”とにぎわいを取り戻すために。

http://www.nicovideo.jp/watch/sm38406198