ベートーヴェン 交響曲第7番イ長調 第2楽章 Symphony No.7 by L.V. Beethoven 2nd Movement

ベートーヴェン 交響曲第7番イ長調 第2楽章 Symphony No.7 by L.V. Beethoven  2nd Movement

ベートーヴェンの交響曲第7番の第2楽章をお送りします。この曲はベートーヴェン42歳の時の作品ですが、ベートーヴェンの作品にしては珍しく初演の時から好評でした。というのは、その前の交響曲である運命、田園が初演されたころはナポレオン戦争の真っただ中で、ウィーンの街も演奏会どころではなかったのに対し、この第7番が初演された1813年は、ナポレオンはロシア遠征で失敗した後で、ウィーンの街も比較的平穏だったことが挙げられます。ちなみに、この第7交響曲がウィーン大学で初演されたときは、ベートーヴェン最大の愚作といわれている「戦争交響曲(ウェリントンの勝利)」も同時に初演されています。この戦争交響曲は、まさにイギリス軍がフランス軍に勝利したことを祝う軍国的な作品で、内容は確かに愚作ですが、こちらの方が聴衆に受けたようです。それでもこの第7交響曲は、かなり好評だったらしく、ここで取り上げた第2楽章はアンコールされました。確かにこの第2楽章は、だれでも口ずさめるきわめて単純なイ短調の主題を使った変奏曲ですが、随所に聴きどころがあります。例えば、普通主題を繰り返すときはABABか、AABという形になりますが、この主題は、ABBという形で、後半が繰り返されます。これは第九の歓喜の歌と同じですが、ベートーヴェンの主題にはよくこういう変則的な主題があります。また、コーダの部分は秀逸で、少ない楽器ながら鮮やかなハーモニーをかもし出しています。最後に弦楽器が「追っかけっこ」をして終わるとこなどは、聴衆をひきつけるベートーヴェン一流のウィットが感じられます。

http://www.nicovideo.jp/watch/sm38437347