頭だけでも体全体を再生 ウミウシの仲間「コノハミドリガイ」

頭だけでも体全体を再生 ウミウシの仲間「コノハミドリガイ」

2021年3月22日 15時45分海の生き物、ウミウシの仲間が、頭だけ残して体の大部分をみずから切り離したあと、心臓など体全体を再生することを奈良女子大学の研究グループが発見しました。研究グループでは「再生のメカニズムを調べることで、医療などにも役立つ可能性がある」としています。発見したのは、奈良女子大学の博士過程で学んでいる三藤清香さんらのグループです。三藤さんは、ウミウシの仲間で大きさ2、3センチの「コノハミドリガイ」を研究のため飼育していたところ、体が切り離され、頭だけで動いている個体がいることに気付きました。観察を続けた結果、16匹のうち6匹が、心臓などを含む体の大部分をみずから切り離したあと、およそ3週間後に頭の部分から心臓を含む体全体が再生されたということです。ウミウシは、餌の海藻の一部を細胞に取り込み、光合成を行って生き続けているとみられますが、再生のメカニズムはわかっていません。同じ現象は別の種類のウミウシでも確認され、切り離された部分に卵を産めなくする寄生虫が確認されたということです。このため、グループでは寄生虫を排除するため体を切り離しているとみています。研究グループの遊佐陽一教授は「心臓のような複雑な臓器を含めた体の大部分を再生する能力が確認されたのは初めてではないか。再生のメカニズムを調べることで、医療などにも役立つ可能性がある」としています。

http://www.nicovideo.jp/watch/sm38474609