モーツァルト 交響曲第41番ハ長調 K551 第4楽章 Symphony No.41 by W.A. Mozart 4th Movement

モーツァルト 交響曲第41番ハ長調 K551 第4楽章 Symphony No.41 by W.A. Mozart  4th Movement

モーツァルト最後の交響曲である第41番「ジュピター」の終楽章をお送りします。モーツァルトは32歳の時、たった2か月余りの間に、第39番、第40番、第41番という3つの交響曲を立て続けに書いています。それらはすべて人類史に残る名曲であり、あらためてモーツァルトの天才性を感じます。ただ、この3つの交響曲がなぜ書かれたのか、また実際に演奏されたのかどうかという確かな証拠はありません。モーツァルトが自発的に芸術家として創作したという説もありますが、金銭的にやや苦境に入りかけていたモーツァルトが、そのようなことをするとも思えませんので、何らかの依頼があり、実際に小編成で演奏もされたと推測されます。さて、この曲の最大の聴き所は、なんといっても終楽章のフーガです。この楽章は、最初の「ド、レ、ファ、ミ」という音型をもとに、4つの主題が提示されますが、それらはすべて密接に関連し、壮大なフーガを形成します。そして、最後のところは4つの主題が全楽器で同時に現れ、最高潮に達して終焉します。まさに全宇宙を記述する「大統一理論」のようで、「ジュピーター」という名にふさわしいフィナーレです。楽譜を作っていて感じたのは、モーツァルトのフーガは、バッハのようにきちんとした「楷書」のようなフーガとは異なり、時々ちょっと変化した「隠し味」のような部分が多くあり、実に人間的です(ちなみに、ベートーヴェンのフーガは、もっと人間的です。)。それでいて、フーガの終わりはきちんとした和声で終結するので、安定感があります。これほどの名曲を瞬時に書いてしまうモーツァルトとは、いったい何者だったのでしょうか?

http://www.nicovideo.jp/watch/sm38492594