行徳哲男先生が語る野生の鴨

行徳哲男先生が語る野生の鴨

野生の鴨デンマークのジーランド地方にある湖に毎年野生の鴨が飛来してきました。野生の鴨は、次の棲みかを目指して、1万キロ以上の旅をします。その間眠りもせず、食べもせず、飲みもせず、ただ翔び続けるのです。ある時、ひとりの老人が美味しい餌を与えるようになりました。いつしか鴨たちは翔び立つことを忘れていきました。春になり雪解け水が激流となって押し寄せた時、飼い慣らされたかつての野生の鴨は翔ぶ力を失い、押し流されるしかありませんでした。それが、実存主義の生みの親であるキェルケゴールの原点となった体験です。これにインスピレーションを受け「WILD DUCK」を社是に掲げたのが、1959年、当時のIBM会長であったトーマス・ワトソンJrです。毎年、冬になるとやってくる渡り鳥の鴨に、来る年も来る年もえさをやり続けていると、そのうち何羽かは、すっかり怠け者になり、翔ぶことすらできなくなる - 困難にたちむかう渡り鳥の精神、「野鴨の精神」こそ、IBMの社員には必要であると説きました。その精神は今もIBMの中で生き続けています。そしてこの哲学は、スティーブ・ジョブズ伝説のスピーチ「Stay hungry, stay foolish」にもつながっていきました。今こそ、野生を取り戻し翔び立つ時。「国難襲来す。国家の大事といえども深憂するに足らず。深憂すべきは人心の正気の足らざるにあり」これは、水戸藩の儒学者であった藤田東湖が吉田松陰に贈った言葉です。社会も日々の暮らしも、何もかもこれまでと同じではなくなった今こそ必要なのは野生だと、昨年米寿を迎えた行徳哲男先生は熱く語ります。ゲーテは、「安住安楽は悪魔の褥」と言っています。わたしたちは、悪魔の褥に身を横たえていませんか?今こそ、野生を取り戻し、翔び立つ時です。改めてこの野鴨の哲学を学びなおし、進化させていくべきではないか、との想いから「野鴨の哲学2.0」として、このプロジェクトは発足しました。行徳哲男先生の講演と多彩なゲストによる対談毎月1回、行徳哲男先生をお迎えして「野鴨の哲学2.0」についての講演、多彩な方々との対談を行います。まずは行徳先生の講演や対談を通じて学び考えること。また進行次第ではありますが、参加者同士でディスカッションし、それに対して講評をいただくことも想定しています。(※ただし、リアル参加の方が優先となりますこと、ご了承ください。)

http://www.nicovideo.jp/watch/sm38661259