モーツァルト ロンドイ短調 K511 オーケストラ版 Rondo A-moll K511 by W.A. Mozart arranged to orchestra

モーツァルト ロンドイ短調 K511 オーケストラ版 Rondo A-moll K511 by W.A. Mozart  arranged to orchestra

さて、モーツァルトの番です。今回はピアノ曲の「ロンド イ短調 K511」をオーケストラに編曲してみましたのでお送りします。この曲は、以前お送りした「ロンド ニ長調 K485」と近い時期に書かれたので、おそらくモーツァルトは対の形で作ったのではないかと思います。2つのロンドの性格は全く正反対で、ニ長調のロンドが明るく華やかな主題をもとにしているのに対し、このイ短調の方は「イ短調」という調性からわかる通り、どこかメランコリックで物悲しい主題から始まります。何やらショパンのメロディーのようです。ただ、半音階的進行はモーツァルト独特です。この部分を演奏する楽器は、オーボエ以外は、ありえないと思って作り始めたのですが、どの部分もオーボエが良さそうなので、なにやらオーボエ協奏曲のようになってしまいました。でもそれなりに美しく響いていると思います。この曲はロンドと言っても、かなり自由な構成をしていて、中間部のヘ長調を経て、主題が再現するところあたりから、モーツァルトの天才がさく裂します。先ほど述べた半音階的進行が顕著になり、だんだんと、何調かわからなくなってきます。そしてまさに、無調の現代曲かと思わせる部分もあります。それでいて、何気なく元のイ短調に収束するのは、まさにモーツァルトの天才のなせる業と言っていいでしょう。最後は別れを惜しむように、そっと終わります。

http://www.nicovideo.jp/watch/sm38772939