【聖戦の系譜】#42琴葉姉妹が聖戦に巻き込まれるようです。【ファイアーエムブレム】

【聖戦の系譜】#42琴葉姉妹が聖戦に巻き込まれるようです。【ファイアーエムブレム】

sm38760341   mylist/68640421  次 sm38802259 ミレトスを進軍する中、琴葉姉妹は本隊から外れたところで物憂げに木陰に佇む少女を見かけた。長い銀髪を赤いリボンで二つにくくった特徴的な髪形は戦場でなくても非常に目立つ。フリージの魔道士ティニーだ。「どったん? お昼食べ損ねたりしたんか」茜が軽い調子で話しかけるとティニーは曖昧な笑みを浮かべた。「あはは……はい、そんなところですね」そう言って顔を伏せてしまった。それを見て葵が茜の脇腹を頬を膨らませて突く。「ティニーちゃん、悩みがあったら何でも言ってね。相談に乗るから」琴葉姉妹はそれだけ言って彼女から離れてため息をついた。もともと戦いには向かない心優しい少女だ。トラキアでブルームやイシュタル、クロノス城ではヒルダと親族相手に何度も命がけの戦いをしてきたのだ。それにここから先は帝国本土での戦いになる。兄アーサーから聞いた話ではシレジアから母親ともどもフリージに連れ去られた後は裏切者として想像を絶する生活を強いられてきたという。それでも育った城に、共に過ごした人々に向けて魔法を向けることになるのだ。ナーバスになるのも無理はない。「なんとか支えてやりたいとこなんやけどなぁ」茜が自分の無力を嘆いていると隣で葵が小さく声を上げた。口を両手で覆い頬をほんのりと赤く染めている。その視線の先にはティニーともう一人、緑色の髪をした好青年が何やら話していた。「おん? ありゃセティか。珍しい組み合わ……」そこから先は茜は言葉を紡げなかった。セティがティニーを抱きしめているのが目に入ったからだ。「……なんや、ちゃんと支えてやるやつおるやんけ。ほら葵、邪魔にならんうちに退散するで」愛する人がいるならきっとティニーはもう大丈夫だ。一人ではつらいだけでも二人ならきっと乗り越えられるだろう。ニヒルな笑みを浮かべて鼻を鳴らすと、茜は騒がしい葵を引っ張って先を急ぐことにした。「あーん、セティニーッ! 二人ともそういうこととは奥手だと思ってたのにもうこんな関係になってたなんて! ああぁーッ! 待っておねーちゃんッ! わたしにもっと糖分を補給させてッ! 愛の蜜でわたしを砂糖菓子に作り替えてぇーッ!!」という一幕はなかったと思うので忘れてください。

http://www.nicovideo.jp/watch/sm38774229