愛犬ロボ「松田名作」

愛犬ロボ「松田名作」

愛犬ロボ「松田名作」の誕生秘話僕はその時、ふと目を覚ますと人面犬になっていた。自分でも訳が分からず、叫んでみたり、暴れてみたり、涙を浮かべ、これは夢であれと、しかしこれは現実であるのだろう。こんなにも意識がはっきりしているのだから。そうして戸惑い、不安、恐怖、様々な感情を一度全て外に出した後、僕は冷静に現状について考えてみることにした。まず僕の体は人間なんかとはかけ離れた犬特有の毛皮で覆われ、手足は短くなり、いつものように立ってみようとするが、すぐにバランスを崩し、倒れてしまった。どうやら犬と同様四足歩行で歩くしかできないようだ。人間というのは不思議なもので、こんな現実にかけ離れた異常なことが身に起こっても、一度それを受け入れてしまったら、その事実についての不快感が消えた。それとも僕の場合は過去にも人間ではないものに突如変異したことがあるから耐性が多少あったのだろうか。だが人間に戻らなければいけないことには変わりない。この現状を打破するにはどうすれば良いのだろうか。そう思っていたらどこからともなく女の声。聞いたこともない、普段の「めでたし」の声とは全く異なる声だ。その声を聞いた瞬間、僕は僕の体を制御できなくなり、まるで誰かに操られたかのように僕はその足で前進し始めた。声は言う、「今日は見ているだけでも心癒される愛犬ロボ…」どうやら僕は生物ですら無くなったみたいだ。そう思った直後、僕の意識も僕の物では無くなった。

http://www.nicovideo.jp/watch/sm38833024