BLUE GRAND WALTZ / GILLTHIM(feat. SecretWonderland)

BLUE GRAND WALTZ / GILLTHIM(feat. SecretWonderland)

「おやすみなさい、またね。シエル」楽曲コラボ企画として発起した当動画は複数人のクリエイターによって制作されました!音楽&マスタリング:GILLTHIMイラストアート:蘭 ひめぎく企画:猫刃設定:佐伯悠シナリオ:蒼海悠グループ名は:Secret Wonderlandとなりますシナリオ: https://kakuyomu.jp/works/16816700426805523925/episodes/16816700426805548194Blue Grand Waltz 雨の臭い、樹々の臭い、獣の臭い、熟れた果実の臭い。 青空が広がっているのに降りつける雨、生温い湿った風、生き残るための殺気を放つ野生動物の気配。 蒼く、碧く、泥臭いこの場所に五感で生々しい生の気配を感じ取るその少女シエル・メイヤーズ はあまりにその場所に不似合いなドレスを着ていた。 シエルの歳は13歳、身につけている透明な生地を重ね合わせた純白の美しいドレスは泥や煤ですっかり汚れてしまっている。 黒く美しい髪からはキューティクルが失われ、触ればギシギシとした気持ち悪い感触と頭皮には砂や小石が溜まっているのが分かった。「お腹が……空いた」 時間が経って胃の中が消化されて食べ物を求めていただけではない。 降り続ける雨に打たれ、それでも歩き続けて体力を消耗し、身体が冷えてしまった。 オニオンのスープ、焼きたてのバターたっぷりのパン、鶏の丸焼き。 こんな時に浮かぶのが食事だけではなく、父親と母親と弟の顔である自分に腹が立つ。「着替えたい」「お風呂に入りたい」「美味しいものを食べたい」「温かい布団で寝たい」 視界が揺れる、真っ直ぐ歩けていないのだと分かった、でも姿勢を直す余力などない。 身体が地面に倒れ込む、ぬかるむ泥と水に身体が沈んでいくようだ。 あぁ、身体に降り続ける雨が冷たい、あんまり冷たくない泥が粘土質で気持ち悪い。...(続く) 

http://www.nicovideo.jp/watch/sm39214769