テイ×ネイ 丁寧 丁寧に描くマン

テイ×ネイ 丁寧 丁寧に描くマン

「ネイチャのこと、ライバルだと思ってるよ」テイオーがそう言い終えてから、アタシのことを指して言ったのだと気付くまで、たっぷり10秒と少し。さっきまで弾んでいたと言って差し支えない会話は、その一言で沈黙に姿を変えた。もう日も暮れて、視界も真っ暗。何もない空間にアタシたち2人だけがいるみたいな錯覚を起こす。きっと聞き間違いか、そうでなければ冗談だと思った。それと同時に、テイオーがそんな冗談を言う訳がないかな、とも思った。「あー……お世辞?励まし?……過大評価か」「ネイチャはさぁ」テイオーはわざわざ大袈裟なジェスチャー付きでため息をついてみせた。「弱点はそこだよね」「なに、それ」「どうせそっちのトレーナーさんにも言われてるんでしょ?」そう言われて、トレーナーさんとのやり取りを思い出す。「自信が……ってやつ?いやいや、ネイチャさんはモブなりに現実見てるだけですから」「そーゆーとこ」そう言ってテイオーは、並んで歩いていたアタシを追い越してみせる。「置いてかないでよ」もう暗いから並んで帰ろう。それ以上の意味を持たせたくなくて、努めて何でもない風にアタシは言った。「やだね」「アンタねぇ」「……ボクのとなりは、キミがいい」テイオーは振り返らずに言った。「けど、ボクの方から後ろに引き返してやる気なんてないから……だから、せいぜい追いついてみせてよね、ナイスネイチャ」テイオーはそう言い残すと、何の脈絡もなく走り始めた。相変わらずきれいなスタートダッシュですこと。「……大人しく取り残されてなんてあげないっての」呟いて、アタシも駆ける。いつか、その背に手が届くように───────────────────────────────────────サカナクション要素はあんまりないです前作ったやつ→ sm39006449 Twitter→ https://twitter.com/othiwo

http://www.nicovideo.jp/watch/sm39334342