パウエル元米国務長官死去 米政界、党派を超えて哀悼の意

パウエル元米国務長官死去 米政界、党派を超えて哀悼の意

米国で黒人として初めて国務長官と軍制服組トップの統合参謀本部議長を務めたパウエル元国務長官が18日、死去した。84歳だった。死因は新型コロナウイルス感染による合併症だった。家族がフェイスブックへの投稿で明らかにした。ブリンケン米国務長官「パウエル氏はその並外れた生涯を公務に捧げた。なぜなら彼はアメリカを信じてやまなかったからだ。そして私たちがアメリカを信ずるのは少なからず、パウエル氏のような人物を輩出するのに貢献したからだ」  米軍制服組トップと米国務長官を務めたコリン・パウエル氏が84歳で死去した。18日、同氏を悼む声が各界から寄せられた。現在の国務長官であるブリンケン氏は、パウエル氏の生涯は米国と米軍にとって「勝利」だったと述べた。「より大きな意味で、アメリカンドリームの勝利だ」 バイデン大統領はパウエル氏が「親愛なる友人であり、比類なき名誉と尊厳を持つ愛国者」であるとし、「戦士と外交官の最高の理想を体現した」人物だと述べた。また「コルベット・スティングレイの運転が素晴らしかった」とも。パウエル氏はレーガン政権で国家安全保障問題担当の大統領補佐官、ブッシュ(父)政権で統合参謀本部議長、ブッシュ(子)政権で国務長官を務めた。ハリス副大統領は18日、パウエル氏がこれらの役職に就いた最初の黒人だったと述べた。「これらの役職を通して、彼のあらゆる行動と方法は、多くの人々に刺激を与えていた」ブッシュ(子)元大統領は、多くの大統領がパウエル氏の助言に信頼を寄せていたと述べた。「歴代大統領のお気に入りであり、大統領自由勲章を2度も授与された」だがパウエル氏が、後に自ら経歴に「常に付きまとう」「汚点」だと呼ぶ出来事が、ブッシュ政権下で起こった。イラクのフセイン大統領が大量破壊兵器を隠していると主張したのだ。これが2003年のイラク侵攻の根拠となった。だがパウエル氏は後に、自らの発表には政権内の他の人物が提供した不正確な情報が含まれていたことを認めた。 2008年の大統領選挙では民主党のオバマ氏を支持し、共和党を離れた。オバマ元大統領は18日、パウエル氏は模範的な軍人で愛国者であったと述べ「彼は、すべての判断が正しかったわけではないことを真っ先に認めるだろうが、彼の行動は、米国と米国民にとって最善だという信念に基づくものばかりだった」とコメントした。  パウエル氏は新型コロナの合併症のために死去した。親しい友人によると、同氏は過去に多発性骨髄腫を患ったほか、初期のパーキンソン病にもかかっていた。血液のがんである骨髄腫は人体の免疫機能を低下させ、新型コロナが重症化するリスクを高める。

http://www.nicovideo.jp/watch/sm39503592