バッハ:カンタータ第131番「主よ、深き淵よりわれ汝を呼ぶ」BWV131

バッハ:カンタータ第131番「主よ、深き淵よりわれ汝を呼ぶ」BWV131

Youtubeからの転載です( https://www.youtube.com/watch?v=2Xd5vY6NM80 )。1707年、21歳のバッハはミュールハウゼンにある聖ブラジウス教会のオルガン奏者募集に応募し、試験演奏で見事な腕前を示して就任することとなりました。しかし、彼が就任する直前の5月末にミュールハウゼンで大火が発生し、聖ブラジウス教会周辺も被災してしまいます。そして7月ごろ、ミュールハウゼンにあるもう1つの教会である聖マリーア教会の牧師は、大火後の悔い改めの礼拝に演奏するためのカンタータの作曲をバッハに依頼しました。カンタータ「主よ、深き淵よりわれ汝を呼ぶ」BWV131は作曲・初演がいつごろなのかを示す資料が残っていない作品ですが、おそらくこの依頼に応じて作曲され、1707年中に初演されたと考えられており、この作品の作曲・初演によって、バッハはミュールハウゼンでの音楽活動を始めたと思われます。本作の歌詞は詩篇第130篇をルターがドイツ語に翻訳したものが使われ、嘆きの底から希望の新生を歌うものとなっています。音楽様式としては、同時期に作曲されたと思われるカンタータ「神の時こそいと良き時」BWV106と類似していますが、BWV106が全4曲なのに対して本作は全5曲で、合唱曲とアリア・コラールが交互に演奏される構成となっています。また、作品中のルターによるコラールは後に「深き悩みの淵より、われ汝に呼ばわる」BWV38でも使用されています。ロタール・オディニウス(テノール)クラウス・メルテンス(バス) トン・コープマン指揮アムステルダム・バロック管弦楽団 アムステルダム・バロック合唱団

http://www.nicovideo.jp/watch/sm40729117